Project/Area Number |
06750782
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
反応・分離工学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 憲司 北海道大学, 工学部, 助手 (00216714)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超臨界流体 / 溶媒和 / 電子移動反応 / パルスラジオリシス / エキシマー / クラスター |
Research Abstract |
本研究は、分子間電子移動速度に対して溶媒和状態がどのように影響するかを明らかにすることを目的として行われた。反応系として、溶媒和状態を大きく変化させることが出来る超臨界流体(CF_3HおよびCO_2)を選び、臨界点近傍で電子移動反応を行わせることを試みた。 初めに高圧下での反応を分光学的に測定するために実験装置の大幅な変更を行い、加速器からでるパルス状電子ビームを用いたパルスラジオリシス法により反応を追跡できるように装置を改良した。次に、超臨界CF_3H中に溶解した芳香族分子(ピレン、ビフェニル、ナフタレン)に電子線パルスを照射し、生成物の過渡吸収スペクトルを測定した。当初は、芳香族分子のアニオンが観測されることを予想したが、本実験の時間分解能(20ns)で得られた吸収スペクトルはそれら芳香族分子のアニオンにもカチオンにも帰属されなかった。例えば、ピレンの場合、380nmの鋭い吸収と450nm近傍のブロードな吸収が観測され、それぞれピレンモノマーのT-T吸収およびピレンエキシマーによる吸収と考えられた。超臨界流体中では、基底状態で分子がクラスターを形成している可能性があるため、電子線により励起された溶媒からのエネルギー移動によりエキシマーが形成される可能性は十分ある。溶媒の圧力を大きくすると、いずれの吸収帯の吸光度も増大した。これは、基底状態におけるピレン分子と溶媒との相互作用が変化したことを反映していると考えられるが、更に検討が必要である。 本研究は米国アルゴンヌ国立研究所化学部門のJonah博士のグループと平成7年3月から共同で行うことが決定した。アルゴンヌ国立研究所に設置されている加速器はピコ秒領域の観測が可能で、超臨界流体中での反応を本研究よりも高時間分解能で観測することができ、更なる発展が期待される。
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