Project/Area Number |
06750818
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
生物・生体工学
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
酒井 保藏 宇都宮大学, 工学部, 助教授 (70186998)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 磁気加熱 / ヒステリシス損失 / 渦電流損失 / 固定化酵素 / インベルターゼ / マグネタイト / ステンレス / ポリアクリルアミドゲル |
Research Abstract |
高周波磁気加熱法には2つの原理があるが、それぞれについて各種酵素を固定化した担体を調製して検討した結果、磁気加熱の有効性を確認できた。現在、下記の結果をまとめて生物工学会の英文誌への投稿準備中である。 (1)渦電流損失による磁気加熱法:磁気加熱担体として強磁性ステンレス粉体を57%含むポリアクリルアミドゲルを用いた。これにインベルターゼ、カタラーゼ、ウレアーゼ、グルコアミラーゼの4種類の酵素をそれぞれ包括固定化した。磁場強度0〜800Oe、磁場周波数0〜15kHzの種々の条件で磁場を印加し、ゲルの発熱と、それにともなう、酵素活性の向上を調べた。酵素活性は、最大で40%向上し、また、ゲルの温度上昇も確認できた。ゲルの温度上昇、酵素活性の増加率は磁場強度の1.4乗および磁場周波数に比例した。 (2)ヒステリシス損失による磁気加熱法:磁気加熱体としてマグネタイト粉、Sr-フェライト粉、γ-酸化鉄粉を45〜57%含むポリアクリルアミドゲルを用いた。これに、前述の酵素を同様に固定化した。前述の範囲の高周波磁場を印加し、担体の発熱と酵素活性の向上が確認できた。ヒステリシス損による磁気加熱の場合には用いた強磁性粉の保磁力を越える磁場で発熱が始まり、飽和磁化に達する磁場では発熱が頭打ちになった。また磁場周波数に比例して発熱量が増加した。この結果はヒステリシス加熱の原理から予想できるものであった。酵素活性向上は発熱の程度と対応せず比較的低い周波数、発熱が少ない条件でも40%程度の活性向上が見られた。周波数が増加し、磁気による発熱が増すと酵素活性は最大で2倍まで上昇した。これは温度上昇効果だけでは説明できず、フェライトなど強磁性粉がゲル内で磁気異方性によるトルクを受けるために、振動して基質の拡散促進効果も生じているのではないかと推察された。
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