Project/Area Number |
06750840
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安住 和久 北海道大学, 工学部, 助教授 (60175875)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | アコースティックエミッション / パラジウム / 水素吸収 / チタン酸化皮膜 |
Research Abstract |
本研究では、音響(AE)測定法を用いて電極系の解析を試みた。以前から用いていた測定系に電極表面以外からのAEを極力抑える改良を加え、カソード分極による水素吸収中のPd電極からの音響測定に適用した。水素吸収条件にもよるが、数Hz程度の連続したAEがさらに長い時間単位で繰り返し現れる、など周期性のAE信号が多いことが改めて確かめられた。これは、Pd表面で水素濃度の上昇→気泡形成→水素放出による気泡噴出、の一連の現象が特定部位で繰返し連続して起こっていることを示唆している。また、特に硫酸水溶液中でThiourea添加によりAE発生が抑制されたが、これはThioureaの吸着が硫酸中で強いことを示している。他の実験から、硫酸中ではThiourea添加によりPd中の水素量が一時的に高まるが、長時間のカソード分極後では電極表面へ対極から溶出したPtの電析が促進されるとともに水素量が減少してしまうことを見いだした。さらに電析形態もThiourea無添加の場合とは異なることがわかった。当初の目的である、電極内部の応力による変形や微小亀裂生成などに情報を得るためには、AE信号の強度分布の測定を試みる必要のあることがわかった。なお、研究結果の一部は95年1月の日本分析学会他合同支部大会で発表された。Ti電極の系では、アノード分極による酸化皮膜生成の後に再びアノード酸化を行うと、7V付近でAEのバーストが測定されるが、原子間力顕微鏡AFMによる表面観察の結果、この付近の電位で酸化皮膜表面に"うねり"が形成されることがわかった。これは金属チタンの酸化にともなう体積膨脹由来の応力によるものと推定される。実際、石英基板上に成膜したTi薄膜の場合では、この電位付近でふくれ剥離を起こす。この"うねり"形成時にバースト状のAEが発生している可能性が高い。
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