イオン交換膜中に固定されたミクロな不均一界面におけるビオローゲンの相間移動
Project/Area Number |
06750846
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
工業物理化学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
稲葉 稔 京都大学, 工学部, 助手 (80243046)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | イオン交換膜 / 不均一界面 / ナフィオン / ビオローゲン / 相間移動 / 脱ブロム化 / ラマン分光法 |
Research Abstract |
ペルフルオロスルホン酸系カチオン交換膜は、親水性領域が疎水性領域から数ナノメーターのオーダーで相分離し、ミクロな不均一界面を膜内に固定した構造を有している。本研究では、ペルフルオロスルホン酸系カチオン交換膜(ナフィオン)と電極金属を結合、一体化させたSPE(Solid Polymer Electrolyte)電極を用い、このミクロな不均一界面を利用した反応の可能性とその機構、及び膜中の特異な物質移動の解明を目指し、相間移動メディエーターとして知られるビオローゲン化合物をイオン交換膜中に保持したSPE電極を作製し、膜中のミクロな不均一界面における相間移動反応を利用したmeso-1,2-ジブロモ-1,2-フェニルエタンの間接電解脱臭素化反応を行った。ビオローゲンを保持していない電極では、脱臭素化反応はほとんど進行しなかったが、ビオローゲンを保持した電極ではその電流効率は飛躍的に向上した。従って、膜中の不均一界面でビオローゲンの相間移動反応が起こることが示された。また、アルキル鎖長の異なるビオローゲンを比較した結果、プロピルビオローゲンが相間移動メディエーターとして最も有効であることが示され、ビオローゲンの膜中の拡散速度が電流効率に大きく影響を与えていることが示唆された。 また、銀電極上に被覆したナフィオン中に保持したプロピルビオローゲンの電気化学的挙動をレーザーラマン分光法を用いて調べ、種々のミセル溶液中での挙動と比較した。その結果、ナフィオン中ではSDSミセル溶液中と極めて良く似た挙動を示し、ナフィオン中の親水性領域に存在する電極活性サイトで生成したカチオンラジカルが、疎水性領域に相間移動を起こすことが確かめられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)