中性子散乱を用いる希土類系合金アモルファス薄膜中の水素の局所構造研究
Project/Area Number |
06750862
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂口 裕樹 大阪大学, 工学部, 助手 (00202086)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | LaNi_5 / 水素貯蔵 / アモルファス / 薄膜 / 中性子散乱 / 構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、中性子弾性散乱および非弾性散乱を利用し、アモルファスLaNi_<5.0>中における水素原子周囲の局所的環境を明らかにすることにより、結晶(c-)からアモルファス(a-)への形態の変化がもたらすLaNi_5の構造の違いと水素吸蔵特性の差との相関性について考察することを目的とする。 中性子非弾性散乱実験より、結晶とは異なりアモルファス中の水素は様々な振動エネルギーを有していることがわかった。このことから、水素は形状やサイズのそろったサイトにのみ存在するのではなく、それらにばらつきを有する歪んだサイトにも占有されていることが明かになった。 中性子弾性散乱実験よりa-LaNi_<5.0>およびa-LaNi_<5.0>D_<2.5>の全二体分布関数g(r)を導出し、さらにそれらから重水素原子に関係する原子-原子相関を抽出することにより、D-La,D-NiそしてD-D相関からなる二体分布関数Δg(r)を得た。その解析により、D原子に最隣接するNi原子との相関の平均距離は、1.70Aであることがわかった。結晶におけるこの距離付近のD-Ni相関の平均距離は1.64Aであることから、a-LaNi_<5.0>D_<2.5>中のD-Ni平均相関距離は結晶におけるそれと比較して伸長していることがわかった。このことよりアモルファス中の(重)水素は、サイズの膨張しているサイトにも存在しうることが明らかとなった。 得られたD原子に最隣接するNi原子およびLa原子の配位数より、アモルファス中に存在する2種類のサイトへ配分される水素の割合は、四面体サイトで80%、八面体サイトで20%であることが示唆された。水素濃度がH/LaNi_5<3の時、結晶においては、四面体サイトへ分配される水素の割合は50%以下であることが明らかにされている。これに対しアモルファスの場合はその分配率が大きく異なり、H/LaNi_5=2.5という水素濃度において、80%もの水素が四面体サイトへ分配されることがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)