Project/Area Number |
06750863
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Tokuyama College of Technology |
Principal Investigator |
大橋 正夫 徳山工業高等専門学校, 情報電子工学科, 助教授 (80160597)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ナシコン型 / 固体電解質 / リチウムイオン / インターカレーション / 電気化学 |
Research Abstract |
我々は先に、ナシコン型に類似の結晶構造を持つ化合物から、新しいアルカリイオン伝導体を誘導することに成功し、その合成方法と伝導度について報告した。その合成手法はインターカレーションを利用したもので、他の化合物にも応用が可能であると考えられる。本研究では、ナシコン型構造を持つNbTi(PO_4)_3を取り上げ、新しいアルカリイオン伝導性固体電解質の合成を試みた。 NbTi(PO_4)_3の合成には、Nb_2O_5、TiO_2およびNH_4H_2PO_4を用いた。組成比混合物を白金るつぼ中、徐々に昇温し、最後に1300℃で5時間加熱して試料を得た。化学的インターカレーションはn-butyllithium/hexane溶液を用いて行なった。電気化学的インターカレーションは電池の放電により行なった。イオン伝導度は、インピーダンスアナライザーを用いて、10Hz〜5MHzの周波数範囲のコール・コールプロットより求めた。 n-butyllithium/hexane溶液との反応により、NbTi(PO_4)_3にリチウムをインターカレーションするとができた。取り込まれたリチウム量はx=4で飽和した。ナシコン構造中でアルカリイオンが占め得るサイトは組成式あたり4なので、これ以上リチウムをインターカレーションすることは困難であると考えられる。電池の放電によってもインターカレーションは進行した。リチウムのインターカレーションによって、結晶中のTi^<4+>あるいはNb^<5+>は還元されることをESCA測定により確認した。Li_xNbTi(PO_4)_3において、x=2.0で最も高いイオン伝導度(300℃で1.2x10^<-4>Scm^<-1>、活性化エネルギー0.48eV)を示し、新しいリチウムイオン伝導性個体電解質が得られることがわかった。 今後、リチウム以外のアルカリ金属のインターカレーションを試みる予定である。また、ゾル-ゲル法による薄膜試料の合成を検討する予定である。
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