Project/Area Number |
06750867
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
井手本 康 東京理科大学, 理工学部, 講師 (20213027)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 酸化物高温超伝導体 / 標準生成エンタルピー / 標準エントロピー / カロリーメトリー / EMF / 熱力学 / 溶解熱 / 1 / 8異常 |
Research Abstract |
双子型溶解熱量計を用いた溶解熱測定,固体電解質電池による起電力測定より高温超伝導酸化物及び周辺物質の標準生成エンタルピーΔ_fH^oや標準エントロピーS^o等の熱力学データーを求めた。本研究ではLa系214相の(La_<1-x>M_x)_2CuO_<4-δ>(M=Sr,Ca,Ba)およびLa系326相のLa_<2-x>M_XM'Cu_2O_y(M,M'=Sr,Ca)について検討した。 1.溶解熱測定(1)溶解熱より単純酸化物からLa系214相が生成する際の反応のエンタルピー変化△H及びΔ_fH^oをXの関数として決定した。(2)LSCO(M=Sr)では△HはXの増大につれてほぼ直線的に低下した。LBCO(M=Ba)では0.04<X<0.08の範囲で直線から上方に偏り不安定組成範囲が存在することが見い出された。LCCO(M=Ca)では△HはXに依存しなかった。(3)溶解熱測定よりLa系326相のΔ_fH^oを決定した。(4)La系326相の生成領域はごく狭い範囲に限られておりサイト選択性による構造上の違いとエンタルピー的な安定性との間に関連のあることが分った。 2.固体電池による起電力測定(1)起電力よりLa系214相の分解反応の自由エネルギー変化△Gを求め,分解圧Po_2を温度の関数として決定した。さらに分解反応のエンタルピー変化及びエントロピー変化を求め,Δ_fH^o、S^oを決定した。(2)La系214相のいずれも起電力測定及び溶解熱測定から求めたΔ_fH^oは良く一致した。(3)ΔG°(298K)とxの関係よりLBCOは0.04<x<0.08の範囲では上に凸の曲線になり2相混合状態よりも熱力学的に不安定であった。よってLBCOのX=0.0625付近の組成は熱力学的に不安定でなり,さらに導電率が低下していることから電子相が不安定になりその結果Tcが低下し1/8異常が現れたと考えられる。LSCOではLBCOほど不安定化が見られず1/8異常は僅かしか見られないという事実とも一致している。熱力学測定より化学安定性,相平衡などの知見及び製造,処理条件等の情報が得られ,高温超伝導酸化物の材料化,実用化に貢献でき,これらは今後必要不可欠なテーマであると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)