遷移金属触媒によるアルカン類のC-H結合活性化を経るヘテロ官能基導入反応
Project/Area Number |
06750890
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
谷口 裕樹 広島大学, 工学部, 助手 (50217139)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | カルボキシル化反応 / パラジウム触媒 / 銅触媒 / アルカンC-H / C-H結合活性化 / C-C結合生成 / アミノメチル化反応 / エステル化 |
Research Abstract |
遷移金属触媒を用いる不活性アルカンのC-H結合活性化を経る官能化反応として、以下の反応について検討を行なった。1)メタンとCO,CO_2を用いたカルボキシル化反応による酢酸合成、2)ベンゼン等の芳香族炭化水素のカルボキシル化反応、3)アルカンのアミノメチル化反応、エステル化反応の3点である。これらの反応はいずれもヘテロ原子として酸素、窒素を含有し、合成化学的に有用な中間体を合成できる。これらの反応においてパラジウム触媒や銅触媒が、又溶媒としてトリフルオロ酢酸(TFA)がそれぞれ有効であることを見いだした。 1)メタンとCO,CO_2を用いたカルボキシル化反応による酢酸合成:天然に豊富に存在するメタンガスは燃料としての利用に留まっており、合成化学的な利用はされていなかった。本反応はこの問題を解決する画期的な反応と言えよう。反応はメタンガスと一酸化炭素を加圧下、TFA溶媒中で触媒としてPd(OAc)_2及び/又はCu(OAc)_2と酸素ガスを酸化剤として、加熱して行なうものである。本反応を40時間行なうと酢酸が触媒基準で410%収率で得られることが分かった。また酸化剤として酸素ガスの代わりにK_2S_2O_8を用い、一酸化炭素の代わりに二酸化炭素を用いても同様に反応が進行し、触媒基準1650%収率で反応が進行することが分かった。 2)ベンゼン等の芳香族炭化水素のカルボキシル化反応:上記の反応と類似の反応で、アルカンよりも反応性の高い芳香族炭化水素の反応であるが、これまでに高温高圧を要したベンゼンのカルボキシル化反応が室温、常圧下で進行し、芳香族炭化水素から効率よくカルボン酸が得られることを見いだした。TFA溶媒中で触媒としてPd(OAc)_2、酸化剤としてK_2S_2O_8を用い、一酸化炭素雰囲気下(一気圧)、ベンゼンの反応を行なうと、安息香酸が定量的に得られることが分かった。 3)アルカンのアミノメチル化反応、エステル化反応:各種のアルカンをCu(OAc)_2触媒存在下、TFA溶媒中で第3メチルアミンN-オキシドと130〜150℃で反応させると、不活性アルカンのC-H結合が活性化されて、アミノメチル基が効率よく導入される反応を見いだした。又本反応からは、このアミンと同時にアルカン由来のトリフルオロ酢酸エステルも収率よく合成されることを見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)