電子供与性配位子を持つ新規(π-アリル)ルテニウム(II)錯体の合成と反応
Project/Area Number |
06750895
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Synthetic chemistry
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
丸山 洋一郎 早稲田大学, 理工学部, 助手 (30257216)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | (π-アリル)ルテニウム(II)錯体 / 電子供与性配位子 / アリル配位子 / (π-アリル)ルテニウム(アルキル)錯体 / トリメチルホスフィン / π-σ変換 / ルテニウム(II)カチオン錯体 / (アシル)ルテニウム錯体 |
Research Abstract |
研究計画に従い、(π-アリル)ルテニウム(II)錯体を種々合成し、それらの反応生の解明を行った。研究に先立って、電子供与性の高いトリメチルホスフィンを安定化配位子とした、(π-アリル)ルテニウム(II)ハライド錯体、(η^3-allyl)RuX(PMe_3)_3(X=Cl,Br)(1)を準備していた。この1位を出発原料として、以下のような誘導体の合成を行い,性質を明らかにした。 1 (π-アリル)ルテニウム(II)(アルキル)錯体の合成と反応性の解明 1とアルキルリチウム試薬との反応による(π-アリル)ルテニウム(II)アルキル(2)錯体を合成した。アルキル基の種類としては、β位に水素を持たないメチル基、エチニル基の2種類の単離に成功した。エチル基を導入した場合には素早いβ-水素脱離と続くアリル-水素の脱離生成を観測した。2は非常に安定な錯体で、パラジウム錯体では一般的な還元的脱離反応は、80℃に加熱しても起こらなかった。 2 一酸化炭素加圧下での(σ-アリル)ルテニウム(II)錯体、(アシル)ルテニウム(II)錯体の合成 1は一酸化炭素加圧下で、(σ-アリル)ルテニウム(II)錯体(3)へと変換され、更に高温長時間の反応によって(アシル)ルテニウム(II)錯体(4)へと変化した。4は3のルテニウム・炭素結合への一酸化炭素挿入によって生成する。錯体3、4間には平衡が存在し、アルゴン条件下室温ではゆっくりと3に戻って行く様子が観測された。 3 アリル配位子と親電子剤との反応によるホモアリルアルコールの生成 1のアリル配位子は、親電子剤であるベンズアルデヒドと反応することによって、ホモアリルアルコールを与えた。σ-アリル錯体を含む、6員環遷移状態のモデルによって実験結果を説明している。 4 (π-アリル)ルテニウム(II)カチオン錯体の合成 1のハロゲンを銀イオンによって除去し、カチオン性(π-アリル)ルテニウム(II)錯体を合成することに成功した。パラジウムの同様な研究例から各種反応性の向上が期待でき、現在詳細を調査中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)