ミクロとマクロな視点からの両親媒性高分子ゲルの構造と分子運動の解析
Project/Area Number |
06750915
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安永 秀計 北海道大学, 理学部, 助手 (80241298)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高分子ゲル / 両親媒性 / 構造形成 / 疎水性 / 形状記憶性 |
Research Abstract |
従来特定の構造をもたないアモルファスなものがほとんどであった合成高分子ゲルが規則的な構造をとれば、生体にみられるゲルのように物質・エネルギー・情報の輸送・変換・貯蔵を高効率で遂行できるようになると考えられる。本研究の目的は、疎水性官能基と親水性官能基を同時に導入して両親媒性高分子ゲルを合成し、規則的な構造の形成を試みるとともに、モノマー組成・温度などの条件とゲルの構造・分子運動の関係を動的に解析することである。 親水性モノマーであるアクリル酸(AA)と疎水性を示すアクリル酸ステアリル(SA)を共重合して両親媒性ゲルを合成し、その構造解析を行なうとともにモノマーの共重合組成比F(F=[SA]/[SA]+[AA])を系統的に変え、規則的な構造の形成条件を調べた。その結果、ポリ(アクリル酸-アクリル酸ステアリル)共重合(poly(SA-co-AA))ゲルはF≧0.15で規則的な構造をとり、広角および小角X線回折測定からF=0.25では0.40と5.88nmの面間隔をもつことがわかった。これは、それぞれ側鎖の長鎖ステアリルエステル基がβ構造をとって配列した構造と主鎖間の間隔に対応すると考えられる。また、このゲルは、昇温時には約50℃に降温時には約40℃に転移点をもって可逆的な構造の秩序-無秩序を起こし、そのミクロな構造転移にともなってマクロな力学特性であるヤング率が100倍も変化することが明らかとなった。さらにゲルはこの秩序-無秩序転移に基づいた形状記憶性を示すことがわかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)