Project/Area Number |
06750920
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
斎藤 拓 東京工業大学, 工学部, 助手 (90196006)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ポリエチレンテレフタレート / 結晶化 / 小角X線散乱 / ラメラ / 時間分割測定 / 自己相関関数 / 配向秩序 |
Research Abstract |
ポリエチレンテレフタレート(PET)の非晶試料を等温結晶化させて、その結晶化過程をシンクロトロン放射光を用いた小角X線散乱により追跡した。その結果、X線散乱曲線が結晶化に伴い次のように3段階に変化することが見いだされた。まず、結晶化の初期には単調に減少する曲線が見られ、小角側の散乱強度が時間と共に増加した(stageI)。その後、散乱曲線にピークが現れ、ピーク位置が時間と共に小角側へシフトして(stageII)、光学異方性の出現する時間域(光散乱法により別途得られている)でX線散乱強度の急激な増大が見られた(stageIII)。S tageIにおける散乱曲線のGuinear理論に基づく解析結果から、不規則なラメラより成る数十nmの結晶ドメインが形成され、それが百nm程度まで大きくなることが示唆された。S tageIIにおいて散乱ピークが出現することから、このstageでラメラが規則正しく形成されると考えられる。また、散乱曲線より求めた自己相関関数から、stageIIにおいて時間とともにラメラ間距離が12nmから8nmへと短くなり、stageIIIにおいて積分強度及びラメラ間の相関の強さが著しく増加することがわかった。この結果から、stageIIにおいて既存のラメラ間に新しいラメラが入り込みながらラメラの積層体が形成され、S tageIIIにおいてこのラメラの積層体が増し、それに伴いラメラの配向秩序が増加することが考えられる。以上のように、放射光を用いた小角X線散乱法により、PETの結晶化中のnmオーダーでの微細組織形成過程を明らかにすることができた。
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