大電力アークジェット推進機ノズル内の非平衡流れに関する研究
Project/Area Number |
06750939
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
田原 弘一 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (20207210)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 1994: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Keywords | 電気推進 / アークジェット / プラズマ流 / 非平衡流れ / ノズル流れ / 分光測定 |
Research Abstract |
本研究では、10kW級水冷式アークジェット推進機を用いて超音速膨張ノズル内のプラズマからの放射光の分光測定を行い各種物理量を求め、また準一次元のコア・フローモデルを用いて数値計算によりノズル内の状態を調べた。 加熱流れ場内のプラズマからの放射光は、ノズル壁に設けられた石英ガラススリットを介して推進機外へ取り出され、レンズと光ファイバを通して分光器のスリットに取り込まれる。実験では、推進剤に窒素を用い、パラメータとして放電電流を70Aから150A、推進剤の流量を0.16g/sから0.78g/sと変化させ、入力が3kWから11kWになるような作動条件で分光測定が行われる。N_2とN_2^+振動温度はそれぞれSecondPositiveBandとFirstNegativeBandにおける振動スペクトルのバンドヘッドから求めた。回転温度は実験より得られた回転振動スペクトルを理論値と比較することにより決定した。電子温度の半径方向分布は観測された線スペクトルから相対強度法により求め、電子密度は窒素に微量の水素を混入したときのHβ線のシュタルク広がりから決定した。 コンストリクタ内では電子温度は投入電力の増加に伴って直線的に増加していることがわかった。窒素分子イオンの振動温度も電子温度とほぼ等しく、コンストリクタ内では温度平衡状態であることが推定される。圧力はノズル内での超音速膨張に伴って2桁のオーダーで急激に減少した。電子温度はコンストリクタ内においては約1.0×10^<16>cm^<-3>の高い値を示しているが、コンストリクタを出ると圧力の低下に伴って電子温度が急激に減少し、約1.0×10^<14>cm^<-3>になった。窒素分子イオンの回転温度はノズル内で約2500Kから1000Kの間で減少した。一般に分子の回転温度と並進温度の緩和時間は非常に短いので、ノズル内での重粒子温度は回転温度とほぼ等しいと考えられる。それに対して窒素分子イオンの振動温度はノズル内で約11000Kから7000Kの間で減少した。よって、ノズル出口面ではかなりの温度非平衡状態なっていることが推測される。 温度非平衡、化学非平衡を考慮した準一次元のコア・フローモデルによる数値解析の結果、ノズル内で重粒子温度と電子温度は急激に減少したが、振動温度はわずかに減少しているだけでノズル出口面で両者にかなりの温度差が生じることがわかった。これを実験結果と比較してみると、定性的には一致しているが、計算結果が少し高い値を取った。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)