ミトコンドリアの遺伝子発現により引き起こされる雄性不稔現象の解明
Project/Area Number |
06760007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
坂本 亘 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (20222002)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | ミトコンドリア / RNAエディティング / 雄性不稔 / トランスジェニック植物 |
Research Abstract |
本研究は、高等植物において、ミトコンドリアの機能異常によって引き起こされる雄性不稔機構の解明を最終目的として行われた。本年度は、高等植物ミトコンドリアにおける特異的な遺伝子発現機構であるRNAエディティングと雄性不稔性との関係について着目し、「ミトコンドリアにおけるRNAエディティングに異常をきたした場合にどのような変化が現れるか」を調べるために以下の実験を試みた。 1.シロイヌナズナのミトコンドリア膜に存在するATPaseのサブユニット9をコードするatp9遺伝子について、特異的プライマーと抽出したRNAとを用いてRT-PCR法によってcDNAを作成した。これらのcDNAとゲノム配列との比較より、シロイヌナズナのatp9遺伝子はコーディングリージョン内に4ヶ所のエディティング部位を持つことが明らかとなった。これらのエディティング部位は全てアミノ酸コドンの第2番目の塩基配列をCからUに変化するものであり、ゲノム配列から予想されるアミノ酸配列をセリンあるいはフェニルアラニンからロイシンに変化させることが明らかとなった。 2.上で調べたatp9遺伝子のエディティングがもし細胞内で不全となった場合に、エディティングされていない不活化されたタンパク質が合成されることが考えられる。そこで、もしこのような不活化されたタンパク質を植物で人為的に合成した場合に植物が異常な形質を示すかどうかを調べる為に、まずatp9のゲノム配列(エディティングされていない)またはcDNA配列(エディティングされている)を用い、ミトコンドリアのpresequenceを持ったキメラ遺伝子を構築した。次に、これらのキメラ遺伝子をアグロバクテリウムを用いた形質転換によってシロイヌナズナ個体へ導入した。現在、これらのトランスジェニック植物のT3種子を採取しており、これらの個体において異常形質がみられるかどうかについて解析をすすめている。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)