大気二酸化炭素上昇による葉内二酸化炭素の移動・固定への影響
Project/Area Number |
06760010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
作物学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 治人 東京大学, 農学部, 助手 (60225886)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 光合成 / 葉肉拡散抵抗 / 水稲 / δ^<13>C / リブロース二リン酸カルボキシラーゼ / カーボニックアンハイドレース / 二酸化炭素 / 気孔抵抗 |
Research Abstract |
水稲の物質生産を左右する要因の一つに単位葉面積あたりの光合成速度(以下、光合成能力と略す)があり、この光合成能力の品種間差や老化等を明らかにする上で葉肉細胞内のCO_2の移動については重要視されながらほとんど解明されていない。本研究では 1.二酸化炭素濃度を二段階(350,1000ppm)に制御した温室で水稲を生育させ、それぞれについて光合成測定装置により気孔抵抗・葉肉抵抗を算出し、二酸化炭素濃度との反応性を調べた。その結果、1000ppm程度の二酸化炭素濃度においては光合成能力や気孔抵抗・葉肉抵抗に顕著な差はみられなかった。 2.CO_2移動に関与していると考えられるカーボニックアンヒドラーゼ活性は、単細胞藻類と違い、高二酸化炭素濃度による顕著な活性低下はみられなかった。 3.光合成測定時に固定された可溶性糖をカラムクロマトで抽出し、これを同位体マススペクトロメーターで12/13の炭素比を測定し、移動抵抗や炭酸固定酵素サイトの二酸化炭素濃度を算出した。その結果、可溶性糖の12/13の炭素比には有意な差がみられず、移動抵抗や炭酸固定抵抗には顕著な差がみられなかった。 4.炭酸固定酵素の含量および活性を分光光度計法やイムノアッセイ法により測定したが、高二酸化炭素濃度の影響はみられなかった。 以上の点より、より高濃度の二酸化炭素濃度により植物体を育成するか、または、亜鉛欠乏体やアンチセンスを利用してカーボニックアンヒドラーゼ活性を低下させた植物体により葉肉細胞内のCO_2の移動を解明する必要があると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
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