Project/Area Number |
06760041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
園芸・造園学
|
Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
下村 正彦 石川県農業短期大学, 生物生産学科, 助手 (80206250)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | クリ / 果実品質 / 糖 / デンプン |
Research Abstract |
本実験は、成熟・冷蔵期間中のクリ果実中の糖集積の時期・経路を特定するとともに、数種の耕種的処理による糖含量の変化を調査し、栽培における果実の高糖蓄積の要因を明らかにしようとした。 塾期の異なる5品種の果実の生長曲線から、各品種とも約一ヶ月間急速に生長し、パラレルな関係にあり、塾期の相違は品種による停滞期の回数(0-3回)に依った。 早生品種‘丹沢'果実の糖含量は、8月上中旬から収穫4日前まで徐々に低下したが、収穫直前にやや増大した。一方、比重は、夏の高温干ばつで8月中旬から下旬にかけて例年より急速に増大し、子葉表面が萎縮し異常であった。そこで、貯蔵期間中の糖含量については、比較的障害の小さかった晩生品種‘石鎚'で調査した結果、収穫時の3.2%から冷蔵4週間まで直線的に5.9%まで増大し、以後12周まで徐々に増大した。愛媛、岐阜、山形、茨城、石川県押水町の各異なる地域の品種‘茨城'‘利平'について糖含量を測定した結果、当短大産の果実と同様、収穫時の3%前後から冷蔵4週間まで6%前後まで増大したが、その際、収穫直後の食味(甘味)に地域差を生じた。しかし、本実験で扱った果実の甘味と糖含量の相関は低く(r=0.50,n=136)、クリの甘味は水分含量・粉質性にも左右されることが推察された。 晩生品種‘石鎚'は、収穫2・1週間前のとげ除去、遮光、摘葉処理のうち、両時期のとげ除去区・収穫1週間前の摘葉区で果実の増糖効果が観察され、収穫直前の光合成能力の低下が果実中のデンプン合成酵素の活性を抑制し、その結果、糖が果実中に集積するものとかんがえられた。 なお、‘丹沢'で追肥時の窒素形態を変えた(硝酸石灰・硝酸アンモニウム)果実の発育は、硝酸石灰区でやや小果となり糖含量が高くなったが、用いた鉢樹の着果負担が異常気象のため軽くなりすぎたため、再試する必要があるとかんがえられた。
|