エンドウカルコン合成酵素遺伝子の病原菌シグナルによる発現制御機構
Project/Area Number |
06760050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
植物保護
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
一瀬 勇規 岡山大学, 農学部, 助教授 (50213004)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | エリシター / サプレッサー / カルコン合成酵素 / CHS / フェニルアラニンアンモニアリアーゼ / PAL / 遺伝子発現 / 転写制御因子 |
Research Abstract |
エリシターによりエンドウCHS遺伝子の転写誘導に必要なDNAシス領域を同定するために、まず、様々な長さのPSCHS1、PSCHS2遺伝子5´上流域をレポーター遺伝子であるクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)遺伝子に結合させてキメラ遺伝子を構築した。次に、これらのキメラ遺伝子をエンドウ培養細胞由来のプロトプラストにエレクトロポレーション法で導入して、一時的なCATの活性を測定した。この時エレクトロポレーション後にエリシター処理を行う区と行わない区を設けてエリシター処理による影響も解析した。その結果、PSCHS1では少なくとも-242から下流に、PSCHS2では-377から下流にエリシター応答性転写活性領域が存在することが明らかとなった。更にCaMVの35Sミニマルプロモーターを用いたgain of function実験からPSCHS1の-242から-181までの61塩基だけでエリシターに応答してレポーター遺伝子の発現を増高させることが明らかになった。次に、両遺伝子の転写制御に関わる核内タンパク質因子について、ゲルシフトアッセイ法により解析した。その結果、PSCHS1の-242から-181の61塩基の断片やPSCHS2の-347から-158までの189塩基の断片はエリシター処理エンドウ組織から調製された核タンパク質と強く結合して移動度の遅い複合体(LMC)を形成することが明らかとなった。LMCの形成は核タンパク質を予めアルカリフォスファターゼで前処理することによって阻害されたことから、LMCの形成にはリン酸化が必要であると考えられる。また、エリシターで転写が誘導されるエンドウのPSPAL1とPSPAL2のプロモーターにも同様なLMCを形成する領域が存在しており、それぞれのLMCの形成は互いにLMCを形成するDNA断片により競合することが明らかにされた。以上の結果から、エリシターによる防御遺伝子の転写誘導にはLMCを形成する共通因子が関与している可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)