Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
カイコの休眠性母性的に決定され,母親の胚発育期の温度に依存している.つまり,25℃で胚発生を進めると休眠卵を産生し,15℃では休眠卵を産生する.休眠を直接誘導する因子は休眠ホルモンである。このホルモンは食道下神経節から分泌され,卵巣に作用する. 環境温度の受容・記憶と休眠誘導の一連の過程を解明することを目的とし,本研究では,休眠ホルモン遺伝子発現の発育変動を調査した.まず,逆転写-ポリメラーゼ連鎖反応による定量法を確立した.本法により神経節1個で休眠ホルモンmRNAの定量が可能になった.胚発生を25℃で進めた場合,胚発生後期に休眠ホルモン遺伝子の発現が認められた.この発現は孵化時には消失し,4令および5令幼虫期に再び認められるようになった.蛹-成虫発育期においては,蛹化後2日と6日に発現のピークが出現し,成虫羽化とともに検出限界以下となった.胚発生を15℃で進めた場合,胚発生期と幼虫期には休眠ホルモン遺伝子の発現は検出されず,蛹-成虫発育期においては6日の発現ピークのみが認められた.以上の実験結果から,胚発生期の環境温度が後胚発育期の休眠ホルモン遺伝子発現をもたらしていると結論した.
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