低リン酸耐性ニンジン細胞のクエン酸代謝関連酵素の変動
Project/Area Number |
06760059
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Plant nutrition/Soil science
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
小山 博之 岐阜大学, 農学部, 講師 (90234921)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ニンジン / 低リン酸ストレス / クエン酸放出 |
Research Abstract |
低リン酸耐性細胞は、通常植物が利用しがたいリン酸アルミニウムを唯一のリン酸給源として選抜された。この細胞は、培地に放出したクエン酸により定量的にリン酸を可溶化して、良好に生育する。本研究では、ニンジン及びアルファルファの低リン酸耐性細胞の、クエン酸代謝に関連する酵素群の活性を測定し、低リン酸耐性機構の一端を明らかにすることを目的とした。先ず、素酵素液中のクエン酸合成酵素、PEPC、ICDH、アコニターゼ活性を測定したところ、ニンジン及びアルファルファ低リン酸耐性細胞は、共通してクエン酸合成に直接関与するクエン酸合成酵素の活性が野生型細胞に比較して、培養条件によらず2倍程度高く、さらに分解に関与する酵素のうち、NADP特異的イソクエン酸脱水素酵素活性が、50%程度であることが分かった。このことは、低リン酸耐性細胞が野生型細胞に比較して、糖代謝の過程でクエン酸を余剰に生産する能力を持つことを示唆している。一方、これらの細胞ではパターンは異なるものの、分解系の酵素のうちニンジンではNAD-ICDH、アルファルファではアコニターゼの活性が高く、低リン酸耐性細胞がクエン酸をロスしながら生育する場合に必須な、適応現象である可能性が高い。今後は、これらの酵素を精製し、その性質を調べるとともに、分子生物学的なアプローチにより低リン酸耐性の鍵となる酵素の特定を目指す。尚、本研究では今後の研究で必要となる分子生物学的なアプローチに必須な、シロイヌナズナの水耕栽培法を新規に考案し、その低栄養応答を調べ、同植物が低リン酸に対して応答することを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)