Project/Area Number |
06760069
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中島 敏明 筑波大学, 応用生物化学系, 助手 (80241777)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 1994: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ポリウレタン / 微生物分解 / 難分解性化合物 |
Research Abstract |
本研究では、プラスチックの中でも特にポリウレタン化合物(PUR)を対象として、その分解菌の取得を試みた。各種土壌サンプルを用いてPUR分解菌の検索を行なった結果、ポリエステル系のPURを効率良く分解資化する細菌、TB-35株を取得した。菌学的諸性質の検討を行なった結果、本菌株はComamonas acidovoransであると同定された。 本菌株はポリエステル系PURを唯一の炭素・エネルギー源として生育可能であり、培養液5mlあたり5mm角のPUR1個(重量にして1%)を7日間で完全に分解した。この時、菌体の生育、PURの分解に伴なって、培養液中に著量のタンパク質の分泌が認められた。さらに、本菌株はPURを唯一の窒素・炭素・エネルギー源としても生育可能であったが、この時の分解量はPURを唯一の炭素・エネルギー源とした場合の約50%程度であった。また、ポリエーテル系のPURは分解できなかった。 各種ポリエステル、および、これより合成した種々のエステル系PURについて、これらを炭素源として分解能の検討を行なった。その結果、本菌株は種々の分子量のポリエステルを分解可能であったが、PURについては、構成成分であるポリエステルの分子量が2,500程度の比較的長いものについては良く分解したが、1,000以下の短いポリエステルから合成されたPURは分解できなかった。 これまで、微生物によるPURの分解には有機栄養源の添加が必須であるとされていたが、本菌株は有機栄養源はおろか、窒素源の添加なしでも極めて高いPUR分解能を有しており、今後本菌株のPUR分解酵素、分解遺伝子等のさらなる解析が期待される。
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