Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究においてはエノキタケ(Flammulina velutipes)を取り上げ,食用担子菌類の宿主-ベクター系を開発することを目的としている.今回は,(1)ベクターのマーカーに用いるエノキタケTRP1遺伝子の構造解析と機能発現必要最小領域の検討と(2)染色体外自律複製ベクターの構築に必要な自律複製配列(ARS)の検索とそれらの活性と構造の解析を行った. 1.エノキタケのTPR1遺伝子の解析 出芽酵母のtrp1変異を抑制するエノキタケDNA断片(7.4kb,TRP1遺伝子を持つ)を欠失させて出芽酵母細胞内での機能発現に必要なDNA領域の限定化を行ったところ,1.6kbにまで切縮めることが可能であった.そこで,この最小領域を含む2.0kbの塩基配列を決定してデータベース検索したところ,エノキタケTRP1がトリプトプァン合成の複数のステップを触媒する単一酵素タンパク質をコードしていることが明らかとなった.また,クローン化TRP1がプロモーター領域およびN末端コード領域を欠いていることが判明したため,現在,これら5'末端領域をクローン化している. 2.エノキタケのARSの解析 エノキタケのミトコンドリアプラスミドpFV1およびpFV2から,出芽酵母と分裂酵母のいずれの細胞内でもARS活性を有するDNA断片を,8種類単離した.次に,これらのARSが担子菌細胞内で機能するか否かを明らかにするために,これらのARSをスエヒロタケの染色体組込み型ベクターに連結した.現在,スエヒロタケの形質転換実験を進行中である.一方,8種類のARSのうちpFV2由来のARS1.6kb断片についてその全塩基配列を解析したところ,同断片が多数のARSコンセンサス配列を有しており,DNAポリメラーゼとRNAポリメラーゼをコードしていることが明らかとなった.
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