高等植物の窒素および炭素同化系遺伝子間でのグルタミンに関連した発現制御機構の解析
Project/Area Number |
06760079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
榊原 均 名古屋大学, 農学部, 助手 (20242852)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 高等植物 / 窒素同化 / 炭素同化 / クロストーク / グルタミン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
申請者らはトウモロコシ切取り葉の実験系を用い、硝酸による硝酸還元酵素(NR)、プラスチド型グルタミン合成酵素(GS2)遺伝子の発現誘導から、グルタミン蓄積によるNR遺伝子発現の仰制およびC4植物炭酸同化酵素ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ(PEPC)mRNAの蓄積に至る一連の過程に関与するシグナル伝達因子について調べた。一般的なシグナル伝達に関与すると思われる種々の作用因子(セカンドメッセンジャー、蛋白質リン酸化・脱リン酸化等)の阻害剤を用いて影響を調べたところ、硝酸誘導はEGTAまたはLa^<3+>により顕著に阻害されたことからシグナリング因子として細胞外からのカルシウムイオンの流入が関与しているものと考えられた。また低濃度のオカダ酸、カリクリンAニヨッテモ阻害されたことから、硝酸シグナル伝達には蛋白質の脱リン酸化等も関与しているものと考えられた。既に我々はC4植物のNR,GS2の硝酸誘導は葉組織中では葉肉細胞で起こることを明らかにしていることから、このシグナル伝達経路も葉肉細胞特異的な分布をしているものと思われる。 グルタミンはNRの硝酸誘導を顕著に抑制したのに加え、PEPCmRNAの蓄積量を有意に増加させた。しかしPEPC遺伝子の転写活性を上昇させなかったことからグルタミンはPEPCmRNAの転写後調節に関与しているものと考えられた。また、上記の阻害剤による実験からこの転写後調節にも蛋白質のリン酸化・脱リン酸化が関与していることが示唆された。以上のことから、グルタミンは窒素および炭素同化系遺伝子発現間のコミュニケーション物質の1つであり、前者には転写レベルで、後者には転写後レベルで調節に関与していると結論した。
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Report
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Research Products
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