メタノール酵母分子育種株によるバイオコンバージョン
Project/Area Number |
06760084
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
阪井 康能 京都大学, 農学部, 助教授 (60202082)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | バイオコンバージョン / 異種遺伝子発現 / メタノール資化性酵母 / Candida boidinii / adenylate kinase / ATP |
Research Abstract |
本研究では、安価なメタノールの存在により強く誘導される新規な真核生物の異種遺伝子発現系として、本申請者によって開発されたメタノール資化性酵母Candida boidinii発現系を用いたバイオコンバージョンシステムについての基礎研究を行った。まず、C.boidinii AOD1 5'-隣接断片をS.cerevisiae ADK1構造遺伝子の上流に連結しC.boidinii染色体内へ導入して、アデニル酸キナーゼの大量発現を試みた。すると菌体内蛋白質の28%にも及ぶアデニル酸キナーゼがC.boidinii内で大量発現された。また染色体挿入型あるいは自律複製型など様々な種類の形質転換体を作成しその発現制御について検討した結果、先にクローンされたC.boidinii AOD1遺伝子の5'-隣接領域にはAOD1遺伝子の発現制御を司るのに必要十分なcis-配列が存在していることも明らかとなった。 さらに、得られたC.boidinii形質転換株の菌体反応を用いてアデノシンを基質としたATP生産を、形質転換株を用いて行い野生株と比較した。野生株ではアデニル酸キナーゼによるAMPからADPへの変換反応が律速となっていたが、形質転換株では、本酵素活性が5000倍から10000倍に増強されているために、培養液当たりのATP生産活性は23倍に増強した。このような形質転換株を用いてpH制御下で基質を添加しながら反応させることにより、45hの反応で230mM(117g/1)のATPを反応液中に蓄積することができた。これらの事実は、単にATPを生産するための手段ではなく、本異種遺伝子発現系が、例えば、高価なATPを添加することなく、他のATP要求性バイオコンバージョン反応に利用できる可能性を示したものである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(7 results)