H_2O-酸化酵素のカタラーゼ反応キネティクスによる光合成酵素発生機構の解明
Project/Area Number |
06760110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
真野 純一 京都大学, 食糧科学研究所, 助手 (50243100)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 光化学系II / 活性酸素 / 過酸化水素 / 酸素発生 / 電子スピン共鳴 |
Research Abstract |
葉緑体電子伝達系の酸化末端で2H_2OをO_2に4電子酸化する光化学系II(PSII)H_2O-オキシダーゼの反応過程で基質H_2O分子がオキシダーゼのどの酸化段階で結合しO-O結合がどの酸化段階で形成されるのかを明らかにするため酵素反応中間体からのH_2O_2および水酸化ラジカル(・OH)遊離の可能性をペルオキシダーゼを共役させたホモバニリン酸蛍光法とスピントラップESR法により検証した。ホウレンソウPSII膜では、好気条件下で人工的な電子受容体のないとき,光照射にともない約2〜4μmol/mgChl/hの速度でH_2O_2が生成した。これはシトクロムc添加により抑制され,DCMU非感受性であった。同じ条件でDMPO-スピントラップESRにより酵素に依存し,DCMUで阻害されないDMPO-OOHの光生成が観察された。すなわち,PSIIでのH_2O_2光生成は還元側のDCMU阻害部位より上流(Q_AおよびPheo)でのO_2のO_2^-への光還元に由来する。DMBQ添加により電子伝達を加速するとH_2O_2の光生成は約3倍に増加した。このH_2O_2光生成は酵素濃度に依存したが,Cl^-イオン濃度に依存するH_2O-オキシダーゼ活性の大きさには対応しなかった。PSII還元側で生じたDMBQのセミキノンラジカルの自動酸化によるものであった。以上のようにH_2O-オキシダーゼ反応過程でのH_2O_2および・OHの光生成は検出限界内で有意に認められず、すでにH_2O-オキシダーゼの部分反応(カタラーゼ反応)解析から推測した基質H_2Oの分子の結合がH_2O-オキシダーゼのS_3状態以降であるとする機構と一致した。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)