シクロプロパン環の開裂反応を利用した抗ウィルス性炭素環ヌクレオシドの合成研究
Project/Area Number |
06760113
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bioproduction chemistry/Bioorganic chemistry
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
谷森 紳治 大阪府立大学, 農学部, 助手 (50207198)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 1994: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | エイズ / 抗HIV活性 / 炭素環ヌクレオシド / シクロプロパン環の開裂反応 / 求核剤 / 光学活性体 / パントラクトン / 酢酸ロジウム |
Research Abstract |
全地球的なエイズの蔓延に伴い、有効な抗ウイルス剤の開発が急務であることから、光学活性体も含めた各種誘導体の合成という要請に答えうる、新しい抗ウイルス性炭素環ヌクレオシドの合成法の開発、ならびに新規誘導体の合成を目的に研究を展開した。 まず合成出発物質として、機能性シクロプロパン誘導体に着目し、その反応性に富んだシクロプロパン環の求核剤による開裂反応により、ヌクオレシドに共通して存在する4位ヒドロキシメチル側鎖の導入を検討した。その結果、酢酸による付加反応を見い出すことができ、これを利用して強力な抗HIV活性を有するCarbovirのラセミ体での合成を成し遂げた。 次に、光学活性な出発物質を得るため、種々のキラルなアルコールを不斉源に用い、種々の金属触媒を用いてビシクロ環形成反応を行った。その結果、パントラクトンと酢酸ロジウムの組み合わせにより73:27と比較的よい選択性で、ヌクレオシドと同じ立体配置を有するシクロプロパン体を優先的に得ることができた。この反応により光学活性なCarbovirの鍵中間体に導いた。 以上のように本研究において、新規なシクロプロパン開環反応ならびに不斉合成法を見い出し抗HIV炭素環ヌクレオシドの合成に応用することができた。この方法によれは、種々の炭素環ヌクレオシドの誘導体が、光学活性な形で得られるものと思われる。今後この手法を用いて新規な誘導体を合成し、抗ウイルス活性試験の評価、および新しい遺伝子治療薬として期待されるアンチセンスDNA,RNAの合成などに発展させたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)
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[Publications] 谷森紳治,上田学史,中山 充: "Efficient Chemical Conversion of (±) -Chokol G to (±) -Chokols A,B,C,F,and K,Chokolic Acid B,and Chokolal A" Bioscience,Biotechnology,and Biochemistry. 56. 1174-1176 (1994)
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