森林の多目的利用に関する日米比較研究-国有林を中心に-
Project/Area Number |
06760147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大田 伊久雄 京都大学, 農学部, 助手 (00252495)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 国有林 / 多目的利用 / レクリエーション |
Research Abstract |
森林は木材生産・水源涵養・国土保全・レクリエーション・景観・その他の副産物生産など多くの機能を有している。森林が国土の3分の2を占めるわが国において、森林の持つ特徴を生かした利用を図ることは重要である。本研究は、日米の国有林を対象に森林の多目的利用の実態を比較分析するものであり、本年度は日本国内における国有林の多面的機能の積極的活用事例に関する調査を中心に行った。 現地調査はほぼ当初の予定通りに、北海道営林局・旭川営林支局・青森営林局・秋田営林局・前橋営林局・東京営林局・長野営林局・大阪営林局・熊本営林局の各管内において実施することができた。 日本の国有林の多目的利用の特徴として明らかになったことは、旧来水源林としての位置づけが重要視されてきたことと、近年ではレクリエーション利用が伸びており、特に森林空間利用と称してヒューマングリーンプランなどの大規模事業が各地で盛んに行われていることである。興味深いレクリエーション利用としては、余市営林所管内におけるヘリコプター輸送を利用した山頂からの林間スキーや下屋久営林署における世界自然遺産の保護・管理などがあげられる。また、その他では、京都営林所管内における風景林施業や幾寅営林署における林間放牧など地域の特色に基づいた独自の森林利用が図られている実態がつかめた。 森林空間利用林における収益貸付事業は採算性の極めて優れた事業であり、国民のリゾートへのニーズと多額の赤字を抱える国有林のニーズがマッチしたもので、バブル期の日本社会を特徴づける森林利用形態といえる。しかし、そこではかなりの面積の森林伐開を伴うことが多く、賛否の分かれる場合も見られる。それに比べて、原生的な自然をそのまま残した身近なレクリエーションの場である自然休養林は収益には結びつかないが、地元自治体との協力体制のもとで地域住民の間に溶け込んだ森林の利活用となっている。いずれにせよ、国有林における森林の総合利用としてのレクリエーション事業は拡充しつつあり、これは国民の需要を反映したものであるということができる。
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Report
(1 results)
Research Products
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