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低温走査電子顕微鏡での直接観察による木部キャビテーション進行過程の解明

Research Project

Project/Area Number 06760152
Research Category

Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)

Allocation TypeSingle-year Grants
Research Field 林産学
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

佐野 雄三  北海道大学, 農学部, 助手 (90226043)

Project Period (FY) 1994
Project Status Completed (Fiscal Year 1994)
Budget Amount *help
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Keywords木部キャビテーション / 低温走査電子顕微鏡 / 孔圏道管 / ヤチダモ
Research Abstract

環孔材樹の孔圏道管の木部キャビテーションの進行過程を解明することを目的として、ヤチダモ(Fraxinus mandshurica var.japonica;樹高約8m:胸高直径約10cm)について、1994年5月中旬から1995年2月中旬までの期間に12回にわたり低温走査電子顕微鏡により孔圏道管の水の存否を観察した。まず、1)融解状態で伐採、玉切りした後に常温から-20℃に冷却して凍結させた長さ1mの丸太の中央部より採取した小ブロックより観察試料を作製する方法、2)融解状態で伐採後直ちに辺材外部より分割してから液体窒素で凍結させた小材片より観察試料を作製する方法、3)伐採前に液体窒素で凍結させた樹幹の局部から採取した小材片より観察試料を作製する方法、の3通りの試料採取・作製法を比較・検討した。その結果、1)及び2)の方法では氷晶分離の頻発によりインタクトな組織構造が破壊されるなどの試料採取に伴うア-ティファクトが誘発されることが明らかになった。これに対して、3)の方法ではア-ティファクトの発生を最小限に防ぐことができることが示唆され、通導中の通導要素内部の水をインタクトに近い状態で電子顕微鏡的に直接観察するのには、供試木の伐採〜検鏡の一連の過程を完全に凍結状態で行うべきことを示した。そこで、3)の試料採取法を適用し、観察を継続した。その結果、孔圏道管のキャビテーションは、形成された当年の秋季のうち(10月中旬〜11月初旬)に起こることが明らかになった。これまで、温帯北部に生育する環孔材樹の孔圏道管のキャビテーション発生の契機として、樹液に溶存している気体が冬期の凍結の際に気泡化し、この気泡が春期の開葉後に蒸散が始まり通導要素内に負圧が生じる際に成長することが指摘されている。本結果は、この仮説に反するものであり、キャビテーションのしくみに関する研究に新たに課題を投じるものとして位置付けることができる。

Report

(1 results)
  • 1994 Annual Research Report

URL: 

Published: 1994-04-01   Modified: 2016-04-21  

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