Research Abstract |
ニジマスの亜鉛利用に及ぼすフィチンおよび第三リン酸カルシウムの影響をカゼインを主なタンパク源とする試験飼料を用いて調べた。カゼイン飼料に第三リン酸カルシウムおよびフィチンをそれぞれ0,4%および0,0.5,1.0,1.5%添加した8種類の飼料を作製し、平均体重1.5gのニジマス稚魚を18週間飼育した。その結果、フィチンあるいは第三リン酸カルシウムをそれぞれ添加することによりニジマスの成長は著しく阻害された。さらにフィチンと第三リン酸カルシウムを併用添加することによりさらに成長が劣った。また、Znの吸収率はフィチンと第三リン酸カルシウムを併用添加すると単独添加よりもさらに著しく減少し、魚体中のZn含量も低下した。 以上の結果より、フィチンと第三リン酸カルシウムを単独添加した場合より併用添加した場合の方が,Znの利用性阻害がさらに強まるものと推察された。このことよりフィチンを含む植物性タンパク質で魚粉の一部を代替する場合にはZnの利用性に十分注意しなければならないものと示唆された。
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