Project/Area Number |
06760222
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
農業機械学
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西津 貴久 京都大学, 農学部, 助手 (40228193)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 超音波伝播特性 / 音速 / 細胞間隙 / 気泡率 / 雰囲気圧 / 加圧 / 非破壊検査 / 顕微鏡観察 |
Research Abstract |
農産物は水分と主に細胞間隙中に存在する若干のガスが分散した系と考えられるが、その音速は空気の音速約340m/sと水の音速約1500m/sの中間の値をとるとは限らず、気泡率約20%のリンゴの音速などは150〜200m/sと空気中の音速よりも小さな値をとる。 これは農産物の細胞間隙中や細胞質内に存在するガスの影響であると考え、農産物を均質な粘弾性媒質中に十分小さな気泡が分散した系として音速と気泡率の関係を理論化し、実測結果と一致するか否かを検討した。その結果、農産物の気泡率が増加すると音速は減少し、その関係は理論式にほぼ一致した。また細胞実質自体の個体差の影響を排する目的で、農産物の雰囲気圧を高めて同一試料中のガスの体積分率を減小させながら音速の計測を行った。これはガスの圧縮率は細胞実質の大部分を構成する液体の圧縮率よりもはるかに大きいことを利用したものである。この結果、農産物の気泡率が増加するほど音速は減小し、その関係も理論式とほぼ一致した。以上の結果はどの高水分農産物にも共通してあてはまることから、音速は種の違いによる影響はほとんどなく、気泡率という要素を考慮することで高水分農産物の音速、即ち弾性的な情報を統一的に表現できることがわかった。またこのことは農産物の非破壊評価時には組織内ガスの存在に留意する必要があることを示唆するものである。そこで検査時に農産物の雰囲気圧を高めることで、従来の超音波検査では得られなかったガスを除いた細胞実質部の情報を得ることができる。一時的な雰囲気圧変化が農産物のその後の貯蔵性や品質にどのような影響をもたらすのか現在実験中である。 同時に自作の耐圧セルに農産物を封入し、加圧しながら実体顕微鏡で観察し、雰囲気圧を高めることで農産物組織中のガスの体積が確かに減小している様子もあわせて確認した。
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