ルーメン内分解性制御の観点からみた蛋白質構成アミノ酸のラセミ化の意義
Project/Area Number |
06760232
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Zootechnical science/Grassland science
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西野 直樹 岡山大学, 農学部, 助手 (50237715)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | アルカリ処理 / ラセミ化 / リジノアラニン / ルーメン内蛋白質分解 |
Research Abstract |
1.アルカリ処理蛋白質の栄養学的意義を知る目的から、大豆粕に乾物当り0、2.5、5及び10%の水酸化ナトリウム(NaOH)を噴霧した後、80℃で加熱乾燥して消化試験に供した。消化試験はルーメンカニューレを装着した山羊4頭を用いて行い、成分消化率、窒素出納、ルーメン内発酵及び蛋白質のルーメン内分解特性について検討した。以下に示す結果は現在印刷中である。 (1)NaOH処理量が高くなるに従いリジン、トレオニン及びアルギニン量が減少し、リジノアラニン生成量が増加した。しかし、これらの大豆粕を10%含む混合飼料を山羊に給与すると、消化率は変化しなかったが窒素出納は改善される傾向を示した。 (2)NaOH2.5及び5%処理は蛋白質のルーメン内分解性を低下させたが、10%処理は逆に蛋白質の溶解性を高めた。また、これらの結果はルーメン内アンモニア濃度の変化からも裏付けられた。 (3)リジノアラニン生成量と蛋白質のルーメン内分解速度の間に有意な負の相関関係が認められ、飼料蛋白質のルーメン内分解性低下に、アミノ酸の架橋形成が関与していることが示された。 2.アルカリ及び加熱処理によるルーメン内蛋白質分解の制御を目的として、大豆粕に乾物当り0、1、2、4及び8%のNaOHを噴霧した後、60及び100℃で加熱乾燥してアミノ酸分析及びin situバッグ法による蛋白質分解率の測定に供した。分解率の結果を数学モデルに当てはめて、ルーメン内における蛋白質の消化動態を測定した。現在に以下の結果を明かにし、分析を継続中である。 (1)リジノアラニンの生成量は、加熱温度及びNaOH処理量が高くなるに従って増加し、その生成量は各処理に対して用量依存的であった。 (2)蛋白質の分解速度は各処理によって直線的に低下し、リジノアラニン生成に伴う分解速度低下の機構が明確となった。 (3)蛋白質の有効分解率の変化から、最適処理条件は4%のNaOH処理と100℃の加熱乾燥の組み合わせであると判断された。 蛋白質構成アミノ酸のラセミ化(D-アミノ酸の生成量)については、ガスクロマトグラフィーによる分析条件を検討中であり、実験1及び2の試料について定量した後、報告する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)