精液中でのブタ精子における先体反応の制御性に関する研究
Project/Area Number |
06760246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied animal science
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楠 比呂志 神戸大学, 農学部・附属農場, 助手 (30211882)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ブタ / 精子 / 先体反応 / 嫌気条件 |
Research Abstract |
哺乳動物精子の先体反応は、精液中では抑制された状態にあると言うのが通説であるが、最近研究代表者は、ブタにおいては必ずしもこのことが当て嵌まらないことを見出した。そこで本研究では、ブタ精子が精液中で先体反応を起こす条件について検討した。すなわち、4頭の雄ブタから採取した全精液(約1億精子/ml)、これを遠心により5〜10倍に濃縮したものおよび濃厚部精液(6〜8億精子/ml)を開放または密閉容器内において37または40℃で静止あるいは振盪しながら6時間加温したのちに、トリパンブルー・ギムザ染色法および透明帯除去体外成熟ブタ卵胞卵子への侵入試験により精子の先体反応の有無を調べた。その結果、精子濃度の低い全精液を開放溶器内において37℃で振盪加温しても、精子は先体反応をほとんんど起こさず、卵子への精子侵入も認められなかった。しかし、精子濃度を上げたり密閉容器を用いたりして酸素の供給を妨げると先体反応が起こりはじめ、またこの時温度が高いほど多くの精子が先体反応を起こした。ちなみに全精液を濃縮したものや濃厚部精液を密閉容器内において40℃で加温した場合には、生存精子8〜9割に相当する66〜90%の高い先体反応精子率と、100%の精子侵入卵子率および4〜10個の平均侵入精子数が得られた。なお、全精液を濃縮したものと濃厚部精液の間で結果に特に差は認められなかった。以上の結果から、精液中でのブタ精子の先体反応は精子への酸素の供給が十分な条件下では抑制されているが、酸素の供給が不充分な状態に陥ると精子は先体反応を起こしはじめ、この現象は温度の上昇によって助長されることが判明した。
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Report
(1 results)
Research Products
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