タンパク質工学技術を利用したボツリヌス神経毒素の細胞膜通過機構の解析
Project/Area Number |
06760262
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
鎌田 洋一 大阪府立大学, 農学部, 助手 (20152837)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | ボツリヌス毒素 / チャネル形成 / 脂質膜 / 構造活性相関 / エンドサイトーシス |
Research Abstract |
ボツリヌス神経毒素は、N末端からL、H-1、H-2のドメインで構成されている。毒素は細胞膜上の受容体に結合後、細胞膜を通過して細胞内に侵入し、神経機能を障害する。毒素の細胞膜通過機構については不明な点が多い。そのメカニズムを明らかにするため、タンパク質工学の技術を利用して実験を行い、以下の成績を得た。 1)ボツリヌス毒素が細胞膜を通過する際、細胞膜脂質に結合する過程および細胞膜に小孔(チャネル)を開ける過程があった。脂質膜との結合チャネル形成ともにpH4から5の酸性条件が必要だった。 2)チャネル形成に関与する部分は、従来H-1ドメインであるとされていたが、精製したドメインを用いて実験したところ、世界に先駆けLドメインも関与することを明らかにした。 3)毒素を脂質膜と反応させ、チャネル形成の条件下においた後、タンパク分解酵素(パパイン)処理を徹底的に行い、毒素分子中の脂質膜の外部に位置する部分を完全消化した。脂質膜中に残存する部分を、SDS電気泳動およびイムノブロッテイングで解析したところ、分子量2万から3万の複数のタンパク断片を得た。これらの断片には抗Lおよび抗H-1ドメイン抗体が反応した。以上の成績はボツリヌス毒素によるチャネル形成にはLおよびH-1ドメインそれぞれの一部分が関与する事を示している。 4)上述のタンパク断片の部分アミノ酸配列を決定したところ、H-1およびLドメインのほぼ中央部分の一部の配列と一致した。現在ペプチド合成機によってこの断片の一部を合成しているところである。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)