Project/Area Number |
06760268
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Basic veterinary science/Basic zootechnical science
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Research Institution | 国立予防衛生研究所 |
Principal Investigator |
森川 茂 国立予防衛生研究所, ウイルス第I部, 主任研究官 (00167686)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | レンチウイルス / フレームシフト |
Research Abstract |
レンチウイルスのpol遺伝子は、genomicsizeのmRNAの翻訳過程中、gag/pol重複領域内で、ある一定の頻度で翻訳フレームがgagからpolへと移動し(フレームシフト)、Gag-Pol融合蛋白として発現する。また、シフト部位下流で、mRNAが高次構造をとる必要があると考えられている。そこで、FIVのgag/pol間でのフレームシフトを昆虫細胞と哺乳類細胞で比較すると、いずれもmRNAのシフト部位下流の高次構造(pseudoknot)に完全に依存していた。一方、HIV-2のgag/pol間でのフレームシフトを、同様に両細胞系で解析すると、前者では、mRNAのシフト部位下流の高次構造に依存しないでgagからpolframeへシフトするのに対し、後者では、高次構造に強く依存してフレームシフトした。また、シフト配列のgagframeのUUAコドンのAを他の塩基と置換するとフレームシフト効率が異なったが、昆虫細胞と哺乳類細胞では、置換の影響は若千異なった。HIVのフレームシフトの機構としては、シフト配列(UUUUUUA)のgagframeをリボソームが解読中、リボソームのP部位がUUU-tRNA^<Phe>、A部位がUUA-tRNA^<Leu>のとき同時に5′側に1塩基滑るモデルが提唱されているが、以上の結果から、A部位のコドン-tRNAがフレームシフト効率を決定する要因の一つであると思われる。また、両細胞系でフレームシフト効率、下流構造への依存度が異なるのも、tRNAの量的、質的な違いによると考えられる。FIV,HIV-2で高次構造への依存度が異なるのは、シフト配列自身のシフトし易さ違いによると思われる。両ウイルスとも、ウサギ網状赤血球ライセ-トでの翻訳系でシフト部位近辺でリボソームの停止が特異的に認められたことから、高次構造はリボソームのscanningを遅延、停止する働きをすると考えられる。tRNA等の関与に関しては今後検討したい。
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