牛遅発型海綿状脳症モデルマウスの作製と発病機構の研究
Project/Area Number |
06760271
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied veterinary science
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三好 一郎 北海道大学, 医学部, 助手 (10183972)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 牛遅発型海綿状脳症 / プリオン / トランスジェニックスマウス |
Research Abstract |
牛の海綿状脳症の原因と考えられているタンパク質性感染因子プリオンの構成タンパク質PrP(Prion Protein)が宿主の遺伝子由来であること、その正常型PrPcがプリオンの感染によって何らかの作用を受け感染型PrPscになることがしられている。しかしながら、PrPcとPrPscの詳細な違いはわかっていない。プリオン病原体の生物活性を調べるためには動物接種が頻用されているが、種の違いに基づく潜伏期の長さは実験上の大きな障害である。牛のPrPc遺伝子を導入したトランスジェニックマウスを作成し牛の海綿状脳症好発系モデル動物の開発およびin vivoでの牛の海綿状脳症の実験系の確立を目的として本研究を遂行した。 SV40初期プロモーターとHTLV-1 LTRのR-U5配列を連結したSRαプロモーターを発現調節領域とする発現ベクターPcDL-SRα296に、牛のPrPc遺伝子(2.1kbp)をクローニングし、Hind III-Sal Iで切り出した全長4.2kbpの融合遺伝子をマイクロジェクション法によりマウス受精卵雄性前核に注入し、4匹のFounderマウスが得られた。そのうち3匹(Bp15,Bp22,Bp23)は、子孫に安定に導入遺伝子を伝達し、系統化が完了した。各々について遺伝子の導入形態を解析したところ、導入遺伝子は完全な形でBp15とBp23では常染色体上に、Bp22ではY染色体上に組み込まれていた。また、導入遺伝子の発現は、Bp15とBp23ではノーザンブロット法で脳と精巣に認められたが、Bp22ではいずれの臓器においても認められなかった。Bp22についてさらにRT-PCR法を行ったところ、脳・心臓・脾臓・精巣で導入遺伝子の発現が認められた。 本研究で開発された牛遅発型海綿状脳症モデルマウスの利用は、プリオン病の基礎的な研究に加え、プリオン病原体に感染した家畜の早期摘発やそのための検定動物の研究、さらに家畜伝達性海綿状脳症の予防法や治療法の確立などの研究にも有用であると思われる。現在、適切なプリオン株、接種経路、マウスの週令などについて検討し、感染実験中である。
|
Report
(1 results)
Research Products
(6 results)