Project/Area Number |
06760280
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三浦 智行 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40202337)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 白血病 / レトロウイルス / 遺伝子解析 / 動物モデル |
Research Abstract |
本研究では、各種サルに感染しているSTLV-Iの遺伝子解析を行い、HTLV-I関連疾患との相互関係を解析し、病態との関連でSTLV-Iの遺伝子構造と機能を明らかにすることを目的とする。 1)アフリカ産のアフリカミドリザル、サイクスモンキーおよびアジア産のニホンザル、ブタオザル、ボンネットモンキー等マカク属由来のものについて遺伝子解析を行い、これまで報告されているHTLV/STLVとの系統関係を明らかにした。その結果、アジア産のサル由来のSTLV-Iは非常に多様であり、アフリカ産のサル由来のSTLV-IのほうがヒトのHTLV-Iに、より近縁であることが明らかとなった。 2)インドネシアの類人猿であるオラウータンよりSTLVを分離する事に成功した。現在PCR法によりその遺伝子の一部を増幅し、遺伝子系統解析を行っている。これまでの解析では、アジア産のマカク族のサル由来のSTLV-Iに比較的近縁であることが示唆された。 3)当研究室で飼育経過観察していたSTLV-I陽性のアフリカミドリザル5例において、プロウイルスゲイムについて解析したところ、モノクローナリティーがかなり進んでいる例が認められた。しかし、眼低検査、血液検査、脊髄反射等の詳細な臨床検査を行ったところ、ヒトでHTLV-Iに関連して認められる白血病、神経疾患、関節炎、ブドウ膜炎、肺炎等の疾患の兆候となるような異常は今のところ認められていない。 1)2)の結果は、HTLV-I/STLV-Iの起源と伝播を考える上で興味深い。3)よりSTLV-I遺伝子と病態との関連を直接示唆する証拠は今回得られなかったが、今後も注意深い観察が必要と考えられる。
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