神経系の細胞分化とエンドセリン受容体(ET_B)の過剰発現様式
Project/Area Number |
06770024
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
粕谷 善俊 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (70221877)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | エンドセリン(ET) / ET_BR / アストロサイト / PKC / PTX / p21^<ras> / Gi / MAPK |
Research Abstract |
本研究では、エンドセリン(ET)-1によるET_BRを介したアストロサイトの増殖における細胞内伝達機構を、細胞増殖において重要な役割を演ずるmitogen-activated proteinkinase(MAPK)の活性化を指標に解析した。MAPKはp21^<ras>の活性化もしくはプロテインキナーゼC(PKC)の活性化を介して活性化される。多くの場合、G蛋白と共役しうる7回膜貫通型受容体のなかでもフォスフォリパーゼC(PLC)を活性化するような受容体は、そのMAPKの活性化においてPLCの活性化に続くPKCの活性化が一義的に重要であるとされている。ET_BRもこのタイプの受容体に属しており、事実、これまでET-1によるMAPKの活性化はPKCの活性化に依存するとされてきた。申請者等はこれまでの報告も踏まえた上で、PKCの活性化に依存しない経路の存在を検討した。その結果、アストロサイトにおけるET-1によるMAPKの活性化には、これまで言われていたPKCの活性化に依存した経路のみならず、百日咳毒素(PTX)により阻害される経路も存在することが明らかになった。しかも、このPTX感受性の経路は、PKCの活性化に依存した経路が動員されない低濃度域のET-1によっても動員されることから、より生理的重要性を有していると思われる(発表論文1参照)。 最近、Gi蛋白とのみ共役しうる一部の7回膜貫通型受容体を介してp21^<ras>が活性化されることが報告され注目されている。申請者等は、ET_BRと数種のG蛋白α-subunitの共発現実験からET_BRにGi蛋白が共役しうることを確認している(発表論文2参照)。したがって、アストロサイトにおけるET-1によるMAPKの活性化に介在するPTX感受性の経路は、Gi蛋白からp21^<ras>の活性化にいたる経路であることが想像される。
|
Report
(1 results)
Research Products
(5 results)