Project/Area Number |
06770033
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
塩谷 孝夫 佐賀医科大学, 医学部, 助手 (20253594)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 心筋 / Na / Ca交換 / パッチクランプ |
Research Abstract |
(背景) 心筋細胞の形質膜に存在するNa/Ca交換機転は、細胞内のCaイオンを細胞外に駈出することで細胞内Caイオン濃度を低いレベルに保つための機構であるとされている。しかし、Na/Ca交換機転は正転・逆転の両方が可能であり、脱分極側の膜電位では細胞内Caイオン濃度を上昇させることができる。したがって、生理的条件下ではNa/Ca交換機転が活動電位にともなう細胞内Ca濃度変化に影響していることが予想される。そこで、膜電位の変化がNa/Ca交換機転の作用に及ぼす影響について調べた。 (結果) 膜電位固定したモルモットの心室筋細胞からNa/Ca交換電流を記録した。細胞内Ca濃度が生理的条件下と同様に変化するよう、細胞内には0.2mMのBAPTAをもちいた。実験より、次の結果が得られた。1)コマンドパルスで誘発されたNa/Ca交換電流は活性化の後すみやかに減弱するが、それはNa/Ca交換電流の逆転電位が移動するのを反映した現象であった。2)この逆転電位の移動は、細胞内のCa濃度変化を直接反映したものであった。3)Na/Ca交換電流の逆転電位は、最終的にそのときの膜電位に等しい値となった。4)一定の膜電位の下でもcaged-Caをもちいて細胞内Ca濃度をジャンプさせると(1)と同様な電流変化が見られた。 (結論)心筋のNa/Ca交換機転は細胞内Ca濃度を膜電位によって定まる値に緩衝する。この働きにより、細胞内Caイオン濃度は拡張期には10-7 M付近に、収縮期には10-5 M付近に緩衝される。このことは、心筋細胞において活動電位の大きさと持続時間が収縮の強さや長さに影響する原因となると考えられた。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)