Project/Area Number |
06770047
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福土 審 東北大学, 医学部附属病院, 助手 (80199249)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 脳腸相関 / CRH / 過敏性腸症候群 / ストレス / 消化管運動 / 大腸運動 / 小腸運動 / ACTH |
Research Abstract |
研究結果 これまで見出した知見を更に発展させ、正常人(生理)と過敏性腸症候群(irritable bowel syndrome;IBS)患者(病態生理)を比較することによって、CRHが消化管運動と脳機能に及ぼす影響をヒトで確立した。広告と掲示で募集した健常成人10例と典型的なIBS患者10例を対象とし、検査日の朝9:00より全例にX線透視下でOlympus社製大腸videoscope CF-200Lを用いて経肛門的に半導体sensorのSynectics社製silicon pressure transducerを下行結腸-S状結腸接合部に留置した。ついで、X線透視下に別のsilicon pressure transducerをpH catheterとともに経鼻的に上部消化管に挿入し、十二指腸に留置した。これらの生体信号をMIC-9800システムポリグラフ、7T18型シグナルプロセッサ、XR-510型データレコーダ、PC-9801RA21型コンピュータに接続し、リアルタイムで導出かつ保存した。被験者を検査室のベッド上に静かに仰臥させ、上記生理信号をモニターしながら60分おきに12mlずつ採血した。次いで、ヒトcorticotropin-releasing hormone(CRH、大阪・蛋白研)2μg/Kgを静注し、上記生理信号をモニターしながら15、30、90、120分後に12mlずつ採血した。消化管運動、小腸pHはGastrosoft(Synectics社)を用い、15分ごとの運動係数、圧力波の頻度、pH7.0以下の面積を自動計算した。採血した静脈血はradioimmunoassayにてACTH、蛍光偏光免疫法にてcortisolを測定した。CRHの静注により、両群で静注3分以内に下行結腸とS状結腸で分節運動が惹起されたが、大腸運動係数は統計学的に有意IBS群>健常群であった(p <0.05)。十二指腸では20例中16例でphase III様運動が惹起されたが、CRH静注後の時間経過とともに十二指腸運動係数は抑制され、抑制の効果は健常群がより顕著であった。血清cortisolに両群の有意差はなかったが、血漿ACTH反応はIBS群>健常群であった(p<0.01)。以上の結果はこれまでに報告されているCRH負荷下あるいはストレス負荷下の動物実験の結果に酷似している。また、ヒトの消化管運動を測定しながらストレスを加え、大腸の分節運動の賦活と運動係数の増加を見出し、IBSではこれらの変化が増強されていることを発見したわれわれの以前の研究成果に類似している。CRHはストレス下のヒト消化管運動を支配する最も重要なペプタイドであり、IBSの病態に対しては脳(ACTH)においても腸(大腸運動)においても重要な関与をしていると考えられた。以上、わが平成6年度の課題研究は脳腸機能相関における視床下部ペプチドの役割を明らかにしつつあり、一定の成果をおさめることができた。 この一連の研究成果に対して1994年のEarly Career Award of American Psychosomatic Societyが授与され、また、1994年のAmerican Gastroenterological Association Plenary Sessionに選抜される等、国際的に高く評価されており、この研究テーマに対する科学研究費補助金の再交付が切望される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)