Project/Area Number |
06770088
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
志水 泰武 愛媛大学, 医学部, 助手 (40243802)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | インスリン / 褐色脂肪細胞 / グルコース輸送体 / GLUT4 / 交感神経 / 初代培養 / β_<3->アドレナリン作働薬 / ノルエピネフリン |
Research Abstract |
申請者は前年度までに、細胞内へのグルコース輸送を促進する交感神経の作用機構を解析するために、褐色脂肪細胞の初代培養系を確立した。本年度はこの細胞を用いて、グルコース輸送を促進するノルエピネフリン(NE)の作用機構を、インスリンの場合と比較しながら追究した。NEによるグルコースの輸送促進効果は、NEの濃度ならびに作用時間に依存して増大し、細胞膜透過性のcAMPアナログで模倣された。このNEの作用は、約100分の1の濃度のβ_<3->アドレナリン作働薬(BRL37344)によって再現されたので、β_3受容体を介して引き起こされると考えられた。インスリンもこの細胞に対して促進効果を示したが、NEの作用とは相加的であったため、両者は全く異なる伝達経路で輸送を促進することが示唆された。このことは、インスリンの情報伝達系において重要な役割を果たすP13 kinaseの阻害剤(ワ-トマニン)によって、インスリンによるグルコース輸送の増加が完全に抑制されるのに対し、NEの促進効果が全く影響を受けないことからも支持された。インスリンが脂肪細胞に作用すると、ミクロゾーム画分から細胞膜上へのグルコース輸送体(GLUT4)のトランスロケーションが誘導され、グルコースの輸送が増加することが明らかとされているが、初代培養褐色脂肪細胞においてもインスリンによるGLUT4のトランスロケーションは観察された。しかし、NEを作用させた場合には、GLUT4の細胞内分布の変動は認められず、トランスロケーション以外の機構が存在することが見出だされた。グルコース取り込みのKm値とVmax値を測定してみると、インスリンの場合にはGLUT4のトランスロケーションを反映して、Vmax値の増加が顕著であった。一方、NEを作用させた細胞では、Vmax値にはほとんど変化がなく、Km値の低下が認められた。
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