Project/Area Number |
06770150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00196742)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 分子疫学 / CypIA1 / CypIIE1 / 肺癌 |
Research Abstract |
Cytochrome P450 IA1(CypIA1)のMspI polymorphismとExon 7のpolymorphismをRio de Janeiroと沖縄の肺癌の症例対照研究のDNA setで検討した。Exon 7のpolymorphismにかんしては、多数の検体を一回のPCR reactionで判定できるように、銀染色によるSSCP法(Single Strand Conformation Polymorphism)の条件を決定した。Rio de Janerioの肺癌の症例対照研究の結果に関しては以下のとおりである。(1)本邦で報告のあった、MspIpolymorphismはRio de Janeiroのpopulationのように背景のMspI site present homozygous type(C type)がかなり高いが、肺癌と対照群では差が全くないこと。(2)Ile-Val多型のVal alleleを持ったgenotypeが有意に肺癌において高かった。(3)この傾向は所謂Caucasian(現地でいうところのWhite)でもっとも強かったが、当地の人種の3 categoryの差についてはそれぞれの数が不十分であるが、有意な差はなかった。(4)Nitrosamineの代謝に関与するCypIIElのRsaI genotypeについては、症例および対照で差はなかった。しかしこの分布を北米および日本人と比較するとより、日本人の分布に近かった。(5)Ile-Val多型とMspI多型の間にはRio de Janeiroの集団でもlinkageをみとめた。Ile-Val多型と肺癌の関与が日本人以外のpopulationで証明されたのはこの研究がはじめてであり、ほぼ同時期に発表された、ドイツのdata同様に、MspI多型では関与が証明されず、Ile-Val多型では関与が認められているので、Ile-Val多型が人類のいくつかの集団で普遍的に肺癌の感受性に関与していることが、推察され、より広範な多種の集団についての検索も今後必要となる。 沖縄は日本のなかでは、肺癌の頻度の高いことで知られているが、その原因に関しては喫煙習慣もふくめた環境因子などが推察されている。上記の結果をふまえて沖縄においてもCypIal Exon 7のIle-Val polymorphismを調査した。途中経過ではあるが、喫煙年令を考慮したregression analysisで約7倍以上のodds ratioをとくにVal/Val genotypeで生じていた。さらにこの分布の対照集団として、hospital controlに加え、沖縄および東京の無作為抽出のDNAや健康長寿喫煙者群との比較を急いでいるが、地域の癌の種類や頻度にその集団の遺伝的多型(現時点ではIle-Val多型がもっとも有望)が影響する可能性について、さらにほかのhigh risk alleleやべつの集団における分布、また、遺伝子型の異なる個体に発生した癌の表現型や遺伝子異常に特徴があるかどうかについて検討したい。
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