膜結合型チロシンホスファターゼ遺伝子のクローニング
Project/Area Number |
06770181
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute for Neuroscience |
Principal Investigator |
水野 一也 (財)東京都神経科学総合研究所, 微生物学・免疫学研究部門, 主任研究員 (00219643)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | チロシンホスファターゼ / アイソフォーム / 細胞分化 / 中枢神経系 |
Research Abstract |
本研究ではチロシンリン酸化を介する中枢神経系および免疫系細胞の活性化、分化制御の分子機構をチロシンホスファターゼ(PTP)の側から解明することを目指している。これまでにマウス脳cDNAライブラリーより単離し解析を進めてきたMPTPδは、細胞外に接着分子様の構造を有する膜結合型PTPである。MPTPδには、細胞外領域の構造が異なる4種類のアイソフォームが存在し、マウス脳においてはMPTPδアイソフォームが発達段階特異的に発現していることが明らかとなっていた。そこで、今年度は、神経系細胞分化における、MPTPδの役割について培養細胞系を用いて検索を行い、以下の結果を得た。 (1)神経芽細胞腫由来の細胞株であるN1E115はDMSO添加により増殖を停止し神経系へ分化する。PTP阻害剤であるNa_3VO_4存在下では、この分化誘導が有意に抑制されたことより、N1E115の神経系への分化過程にPTPが関与していることが示唆された。 (2)この分化誘導時におけるMPTPδおよびMTPδ近縁遺伝子の発現の変化を検討した。その結果、MTPδ遺伝子発現が減弱していたのに対し、近縁遺伝子であるLAR、PTPσの発現には、増加傾向が認められた。 (3)そこで、N1E115細胞に遺伝子導入によりMPTPδ蛋白を強制発現させたところ、神経系への分化誘導が抑制され、aggregateをつくりながら増殖する形質を獲得した。現在、神経系へ分化することが報告されている他の細胞株を用いて同様の解析を進めている。 以上の結果は、日本癌学会、日本分子生物学会および日本病理学会にて発表済である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)