Project/Area Number |
06770212
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
山中 浩泰 徳島文理大学, 薬学部, 講師 (30202386)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 大腸菌 / 耐熱性下痢原因毒素 / 膜透過 / 分泌機構 / ジスルフィド結合 / プロセッシング |
Research Abstract |
大腸菌耐熱性下痢原因毒素I(STI)は、菌体外に積極的に分泌されるペプタイドである。本毒素は、72個のアミノ酸から成る前駆体として生合成され、その構造は、pre領域,pro領域及びmature領域の3領域から成っている。これまでの研究により、pro領域の存在がSTIの効率の良い内膜通過を引き起こすこと,活性構造構築に必要な分子内のジスルフィド結合の形成は,DsbAと呼ばれるペリプラスム酵素によって促進されることを明らかにした。 本年度は、ジスルフィド結合形成と外膜通過との関連性及び外膜を通過しうる分子の大きさについてパルスラベル実験を行い、以下の知見を得た。 1.培地中に放出されるSTIは、mature領域のみから構成されており、pro-mature領域から構成されるSTIは分泌されなかった。また短いチェイス時間では、ペリプラスム中にもmature領域のみからなるSTIが局在した。これらの結果より、シグナルペプタイド(pre領域)の切断後、ペリプラスム中へ移行したSTI(pro-mature領域で構成)はプロセッシングを受け、mature領域からなるSTIだけが外膜を通過することが明らかとなった。 2.STIの末端側のアミノ酸を37個伸長すると、毒素の分泌量が低下した。また培地中に放出された分子を分析した結果、菌体外へ毒素が分泌されるためには、伸長部位が切断を受けなくてはならないことが判明した。 3.mature領域中に存在するシステイン残基をアミノ酸置換した変異毒素産生株やdsbA遺伝子欠損株を用いた結果、STIの分子内ジスルフィド結合は毒素の外膜通過にとって必ずしも必要ではないことが判明した。
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