レトロウイルスのRNA発現量調節とスプライシング機構との関係
Project/Area Number |
06770221
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小田原 隆 東京大学, 医学部(医), 助手 (40204218)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 1994: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | レトロウイルス / RNAスプライシング / 分子生物学 |
Research Abstract |
レトロウイルスのgagとpol遺伝子は、イントロンにコードされているため、RNAがスプライスされてしまえば発現しえない。ウイルスは、スプライスRNAと非スプライスRNAとの両方を発現する必要があるが、その機構は不明である。以前の研究で、マウス白血病ウイルスのgagとenvをコードするDNA(GE6.4)からは、スプライスと非スプライスの両RNAが効率よく発現するが、GE6.4からスプライスアクセプター(SA)を含む441塩基を欠失ないし逆位させると、スプライシングが起きなくなると同時に、gagをコードする非スプライスRNAの発現量も低下することが分かっていた。本年は、スプライスドナー(SD)のウイルスRNA発現への関与の有無、SA部配列が野性型ウイルスの発現に果たす役割を検討した。1.GE6.4からSDを含む220塩基を欠失すると、SAを含む441塩基を欠失したときとは異なって、スプライシングが起きなくても、ウイルスRNA(非スプライス)の発現量が低下しないことは分かった。従って、スプライシングが起きることがウイルスRNAの発現量維持に必要なのではなく、SAを含む441塩基部分を持つことが重要であると考えられた。2.GE6.4はウイルスのpol領域に2.4kbの大きな欠失を持つので、より野性型に近いDNA(pol領域内のフレームシフト変異(4塩基挿入)又は306塩基のインフレーム欠失)からのSA部欠失がRNA発現量に与える影響を見た。結果、SA部欠失によりRNA発現量が低下することが確認された。3.野性型そのもののウイルスDNAからは、感染性ウイルス粒子が産生されるため、感染性粒子産生のない場合と比べて、ウイルスDNAコピー数が2^4倍に増えてしまう。しかし、コピー数で補正して比較するなら、DNAコピー当たりのRNA発現量は、野性型ウイルスの場合でも、SA部欠失によって低下することが分かった。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)