ヒトヘルペスウイルス6の肝臓及び血管細胞への親和性とその病態に関する研究
Project/Area Number |
06770223
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
稲城 玲子 大阪大学, 医学部, 助手 (50232509)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | ヒトヘルペスウイルス6 / 肝細胞 / 炎症系サイトカイン / 肝障害 |
Research Abstract |
(目的)HHV-6は突発性発疹(Exanthem subitum:ES)の原因ウイルスで、発熱や発疹に加え、時に肝機能障害、熱性けいれん等の症状も引きおこすことが知られている。しかしHHV-6の詳細な病態はいまだ不明な点が多い。今回我々は、HHV-6感染によって生ずる肝障害の機序を明らかにする目的で肝細胞でのHHV-6感染や、それによって生ずる肝細胞でのサイトカイン遺伝子発現の変動を検討した。(方法)まず肝細胞株(HepG2)にHHV-6(HST株)を感染させた(37℃,1hr)。それら細胞について経時的に抗HHV-6抗体(OHV-1,2,3)を用いた間接蛍光抗体法を行ない、HepG2におけるウイルス感染を検討した。つぎに、HHV-6感染あるいは非感染HepG2から経時的に全RNAを抽出した。それらを用いて、HepG2での産生が報告されているサイトカイン(IL-1β,IL-6,IL-8)の遺伝子発現を、半定量RT-PCRにて解析した。同様の実験を、UV処理あるいは熱処理HHV-6を用いても行なった。(結果および考察)HHV-6はHepG2に感染し、感染性ウイルスを産生をすることが明らかとなった。またHHV-6感染HepG2では非感染時に比べIL-6,IL-8遺伝子の発現が有意に亢進することが明らかになった。この現象はUVあるいは熱処理HHV-6を用いた同様の実験では認められなかった。一方、IL-1β遺伝子発現はHHV-6感染によっていかなる変動も示さなかった。これらの結果から、HHV-6が肝蔵に感染するとサイトカイン産生の変動を伴いながら、肝臓での炎症反応や免疫反応に影響を及ぼす可能性が示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)