Project/Area Number |
06770265
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
堀口 兵剛 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90254002)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | カドミウム / 炎症 / サイトカイン / 肝臓障害 |
Research Abstract |
カドミウムをウサギに静注すると、その急性中毒の症状として全身性の炎症とともに著明な肝臓障害が起こる。この肝臓障害の発祥に、炎症性機序がどの程度関与しているかを検討するために、各種の抗炎症作用を持つ抗体をカドミウムと同時に投与し、その後の肝臓障害発症への影響を観察した。用いた抗体は、抗IL-8抗体と抗CD18抗体である。IL-8は好中球に対する強力な遊走作用を持つサイトカインであり、またCD18は好中球が血管壁を通って組織内に浸潤する時に重要な働きをする接着因子である。したがって、両抗体はともに組織内への好中球遊走・浸潤を特異的に抑制する作用があると考えられる。 その結果、両抗体を投与することによって、カドミウムによる肝臓障害作用は増強される、という新たな興味深い知見が得られた。具体的には、ウサギにカドミウムを投与すると、その後12-24時間目にピークとなるような血漿GOT、GPTの上昇が、観察できるが、それに抗IL-8抗体あるいは抗CD18抗体の同時投与を行うと、その数倍にも及ぶ血漿GOT、GPTの上昇が起こり、時にはそれが原因で死に至ることもある。このことは、急性カドミウム中毒においては、炎症反応、特に好中球の組織への浸潤は、毒性を抑制する何らかの働きをしていることを示すものである。
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