Research Abstract |
1.過去の肥満大学生の追跡調査 昭和49年から昭和53年において実施した肥満学生を対象とした精密検査のカルテより,肥満群として199名を抽出した.また対照群として同時期の学生名簿から,肥満群と卒業年度,出身学部,性をマッチングした非肥満者304名を抽出した.両群に対し調査票を郵送し,質問紙法による自記式調査を実施した.その結果肥満群78名・対照群85名より回答を得た.今年度は在学時および現在も肥満であるA群(52名),在学時肥満であったが現在は肥満でないB群(22名),在学時および現在ともに肥満でないC群(69名)の3群に分類し生活習慣(ライフスタイル)と肥満との関連について検討した。 (1)身体活動度:週1回以上運動している者は,A群32.7%,B群36.4%,C群25.0%とB群で高い傾向を認めた。日常生活全般における身体活動度を示す生活活動強度(第四次改訂日本人の栄養所要量)では,B群は強度II以上を選択した者の比率が45.5%と,A群11.5%,C群18.8%に比し高率であった。 (2)喫煙・飲酒・非喫煙者の比率は,A群57.7%,B群90.9%,C群71.0%でありB群は他群に比較して高率であった。飲酒習慣のない者の比率もB群は他群に比して高い傾向を認めた。 (3)食行動:B群は「腹八分目にすることが多い」と食事量に気をつかう者が他群に比し多かった。食事にかける時間もB群は,朝食,昼食,夕食ともに他群に比較して長い傾向にあった。 2.今後の継続した縦断的検討のためのデータ整備およびデータ管理環境の整備 今回調査対象とならなかった昭和54年以降現在までの精密検査結果を,コンピュータに入力した.また平成6年度の定期健康診断にて肥満と判定された学生を対象に精密検査を引き続き実施し,身体計測値,血液検査結果・生活習慣調査結果等を入力し今後の解析のためのデータ整備を行った.
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