Project/Area Number |
06770324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
郡司 啓文 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20234643)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | Human / Semen / γ-Glutamyl transferase / Aminopeptidase N / Protein sequence |
Research Abstract |
[目的]精液GGTのcDNAのクローニングを目標として、subunitのN-末端アミノ酸配列を分析し、更に、遺伝子ライブラリで該当した物質に対するモノクローナル抗体を用いてウエスタンブロティングを行った。その結果、精液GGTの生化学的性状について新たな知見が得られた。 [材料・方法]精漿からの精液GGTの精製は、精液を3,700xGで遠心後、硫安分画、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過等により、非活性が約140U/mg proteinの精製GGTを得た。精液GGTをSDS-PAGE電気泳動後、セミドライシステムによりPVDF膜にブロットし、150kDa及び95kDaの試料バンドを切り取り、自動気相シークエンサー(Applied Biosystems社Model 476A)にアプライした。データ解析には、Applied Biosystems社 610A Data Analysis Systemを用いた。分析は3回行い、3回とも一致したものをN-末端アミノ酸配列として採用した。アミノ酸配列の検索には、国立遺伝学研究所のGenBankのデータベースを用いた。ウエスタンブロッティングには、抗CD13モノクローナル抗体(DAKO-CD13,WM-47,Dakopatts社製)を用いた。 [結果及び考察]95kDaバンドのN-末端アミノ酸配列は3回の分析とも、HPLCのピークに十分な有意差が得られず、確定できなかった。従って、この試料バンドのN-末端にブロッキングがおこっている可能性が考えられた。一方、150kDaバンドのN-末端アミノ酸配列の分析は、3回とも同様に、N-末端から14個のアミノ酸残基が確定できた。検索の結果、既知の腎GGTとは全くホモロジーを認めなかったが、aminopeptidase N(APN)とSerine以外の配列が一致していた。APNは免疫学の分野で知られるCD13と同一物質である。そこで、精液GGTについて、抗CD13モノクローナル抗体を用いたウエスタンブロッティングを行った。その結果、150kDaバンドに一致して反応性が認められた。95kDaバンドについては反応性は認められなかった。以上のことから、精液GGTの150kDaバンドはAPNである可能性が極めて高いと考えられる。APNは基質特異性が緩く、多くのペプチドのN-末端からアミノ基を順に切断する作用があるので、g-glutamyl化合物の分解も触媒する。従って、我々がこれまでに用いていた精液GGTのアッセイ系ではGGTとAPNを区別できていない可能性かせ考えられる。また、精液GGTの95kDaバンドに関しては、APNのオリゴマー構造のサブユニットの解析により、APNの幾つかの崩壊産物に95kDaの分子量を持つものが報告されている。今後、これとの相同性の検討が必要である。
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