滑膜細胞、T細胞およびB細胞のクローニングによる抗リウマチ作用機序の検討
Project/Area Number |
06770351
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内科学一般
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中島 亜矢子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (90211432)
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Project Period (FY) |
1994
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
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Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | メトトレキサート / 慢性関節リウマチ |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)におけるメトトレキサート(MTX)少量パルス療法の作用機序について検討した。RA患者滑膜由来のT細胞、B細胞のクローナルな細胞増殖に及ぼす低濃度領域でのMTXの影響を検討では、末梢血由来の場合と同様、RAに対する治療で達成可能と考えられる血中濃度のとほぼ同様の0.025〜0.05μMのMTXにより増殖抑制されたが、滑膜付着細胞の増殖は50μMのMTXにも抵抗性を示した。このことからMTXの抗リウマチ効果発現機序にはリンパ球系の細胞増殖抑制効果が関係していることが示唆された。滑膜細胞がMTXに抵抗性を示す機序を検討するため、滑膜細胞と同じ付着細胞であるヒト線維肉腫細胞株HT1080用いて検討したところ、増殖速度の速いHT1080は低濃度のMTXで増殖抑制されたが、増殖速度の遅いHT1080は抑制されずMTXの細胞増殖抑制効果には細胞増殖速度が関与している可能性が示唆された。6-サイオグアニンにより選択されたHGPRT欠損HT1080では、増殖速度の遅い細胞もMTXにより増殖抑制されたことから、細胞増殖速度の遅い細胞ではHGPRTを利用したサルベ-ジ回路のみで増殖を維持し、MTXに抵抗性になっている機序が考えられた。次に、RAに対してMTXが週1回投与で有効な理由を検討するため、レクチン刺激後24時間毎に末梢血単核球に種々のスケジュールで24時間だけ0.1μMのMTXを添加したところ、刺激後48〜72時間のほぼS期と考えられる時期にMTXを添加した条件でのみ細胞数の減少がみられた。残存した細胞に対してその後MTXを除去した条件下でクローニングを行うとクローニング効率には差は認められず、MTXは培養液中に存在しているときにのみ細胞増殖抑制効果を発揮し、その効果は残存しないことが示唆された。以上より、MTXが週1日投与でも有効な理由は、MTXの効果が残存するためでなく、週1日投与でも細胞増殖抑制効果が強力なためと考えられた。
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Report
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Research Products
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