Research Abstract |
【結果】b)indomethacin(indo)投与3日後,全例に小腸潰瘍の形成を認め,対称群に比較して体重減少,汎血球減少,血清TP,Alb,ALPの低下,BUNの上昇を認めた.indo群では胆汁流量(BF)およびコレステロール排泄量(CO)は減少し,リン脂質排泄量(PLO)は増加したが,胆汁酸貯蔵量には変化を認めなかった.indo群ではα,β-muricholic acid(MCA),chenodeoxycholic acid は減少し,hyodeoxycholic acid,deoxycholic acidは増加した.c)in vivoではindo群のBF,胆汁酸排泄量(BAO),胆汁酸最大輸送能(Tm)は低値を示した.d)摘出灌流肝ではTCA負荷後,indo群のPLOは高値を示した.indoの急性腹腔内投与による胆汁分泌の変化は認められなかった.e)次ぎに,各種胆汁酸0.5%含有食7日間の前投与による効果を検討した.indo投与3日間後,普通粉末食(ND),UDC,TCTUDC群は食事摂取量および体重の著明な減少を認め,TCDC群では他の4群に比較して食事摂取量は多く,体重は増加した.BF,PLOは5群間で差はなく,BAOはTC群で,COはTUDC群で高値であった.ND群で低下の認められたα,β-MCAはTCDC群では逆に増加し,UDC群ではlithocholic acidが増加した.小腸全長はUDC群で短縮し,TCDC群では短縮を認めなかった.肉眼的な炎症所見スコアはUDC群で高値を,TCDC群で低値を示した.各々の小腸を4分割し,3rdportionにてMPOを比較するとTCDC群は低値を,UDC,TC,TUDCの3群では高値を示した. 【結論】1)indo投与群におけるin vivo での胆汁酸最大輸送能は低下し,IPRLでは保持され,リン脂質排泄量はin vivo,IPRLとも増加した.2)小腸潰瘍はTCDC群で軽減し,UDC群で増悪した.以上より,本モデルでは胆汁排泄機能は軽微ながら亢進していること,小腸潰瘍の形成には胆汁中胆汁酸組成が大きく影響していることが示唆された.
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