Project/Area Number |
06770455
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Neurology
|
Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
高橋 弘明 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20206840)
|
Project Period (FY) |
1994
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 1994)
|
Budget Amount *help |
¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 1994: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
|
Keywords | 無症候性脳梗塞 / 血小板凝集能 / 血液凝固線溶系 / 無症候性再発 / 症候性再発 |
Research Abstract |
いったん脳血栓症を起こした患者では、高血圧、糖尿病など、通常の危険因子を有している例が当然多い。しかし、そのなかで再発を起こした例の特徴を次のように要約しえた。 症候性再発では、1.大部分の症例は、脳動脈硬化を持ち、穿通枝領域の小梗塞(72%)による。2.梗塞巣に対応する血管に動脈硬化性変化を伴う(70%)ことが多い。3.急性期における高へマトクリット値(非再発例22%に対し、症候性再発例41%(p<0.05))、慢性期におけるフィブリノゲン(非再発例250±68mg/dl)に対し、症候性再発例339±82mg/dl(p<0.05))とLp(a)(非再発例13.7mg/dl±10.7に対し、症候性再発例19.7±16.9mg/dl(p<0.05))の高値を伴う例が多い。4.抗血小板薬投与例では、血小板機能の抑制が不十分な例(ADP 10μM凝集で非再発例55±14%に対し、症候性再発例78±17%(p<0.05))が多い。 一方、無症候性再発では、1.皮質枝梗塞(特にborderzone infarctionは症候性再発0%に対し、無症候性再発では23%)が少なくない。2.梗塞巣に対応する血管は脳動脈硬化性変化を伴わない例(70%)が少なくない。3.急性期、慢性期における血液因子には、非再発例と差がない。4.抗血小板薬投与例では、血小板機能の抑制が十分な例(ADP 10μM凝集で非再発例55±14%に対し、無症候性再発例58±12%)が多い。 以上の所見から、脳梗塞の無症候性再発の一部は、症候性再発とは成因が異なるものがあるようであり、病巣の大きさ、部位、抗血小板薬に対する反応のちがいは、成因の差異を反映しているものと思われた。
|