Research Abstract |
1.ジストロフィンの異なるドメインに対して作製された6種類の抗体を用いた免疫組織化学染色を施行しRFに存在するジストロフィン蛋白が全長を有する完全なものかあるいは一部分を欠く不完全なものかを観察するとともにその出現頻度を検討した。ここで出現頻度の年齢との相関性、遺伝子異常の種類との関連を検討した。 2.次に、遺伝子欠失の判明しているDMD筋からジストロフィン陽性のRFとジストロフィン陰性の筋線維を切片から取りだし、各々直接Polimerase chain reaction(PCR)増幅した.これにより、RFにおけるジストロフィン遺伝子の異常を欠失例5例について検討し,RFにおいても欠失が存在することを示した.即ち,体細胞モザイシズムではないこと,欠失修復はないことを示した. 3.次に,mRNAの検討を加えた.ジストロフィンmRNAをRT-PCR法にてcDNAとして増幅し、この塩基配列を決定し,readig frameのshiftが修正するようなsplicingの存在を明らかにした. 4.そこで,このsplicing機構の変化を応用した治療を着想しその可能性を探ることにした。そこでこのsplicing機構をmdx筋の培養系,及びin vivoの実験系に持ち込み検討する手段として,アンチセンスオリゴヌクレオチドによるmRNA発現調節を考えており,エクソン-イントロン境界領域でのsplicingに重要な配列を中心に有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製,検討中である.
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